谷繁元信がパ・リーグ後半戦、6球団の戦力を分析。優勝争いで注目の選手は? (2ページ目)

  • 中島大輔●取材・文 text by Nakajima Daisuke
  • photo by Jiji Photo

 オリックスを3ゲーム差で追いかけるのが、前評判の高かった2位・楽天。8年ぶりの優勝を目指す上で大きかったのが、巨人から炭谷銀仁朗を獲得したことだと谷繁氏は見ている。

「キャッチャーに炭谷が入って、ピッチャーが落ち着いて投げているような感じがします。岸(孝之)、涌井(秀章)は西武時代から組んでいますしね。

 あとは田中(将大)がポイントだと思います。防御率(2.84)は十分な数字ですが、それが勝ちにつながっていない(4勝5敗)。田中が投げている時に打線の援護が少なくて、粘り切れない印象です。田中の勝ちがふたケタを越えるくらいになれば、楽天は優勝に近づいていくと思います」

 では、打線のキーマンは誰か。

「浅村(栄斗)ですね。今年はまだホームラン10本。浅村がホームランを量産するようになると、チームの得点能力も高まっていくはずです」

 昨季32本塁打でホームランキングに輝いた浅村が、後半戦でいかに多くのアーチをかけられるか。ブランドン・ディクソン、ルスネイ・カスティーヨの両外国人がフィットしていないなか、勝負強い和製大砲がカギを握りそうだ。

 3位ロッテは首位オリックスを4ゲーム差で追いかける。リーグトップの得点数(419)を誇る一方、失点数(392)はワーストだ。

「打線に突出した選手はいないなか、1番から9番まで"打線"として攻略していく。相手にとっては嫌な打線なので、それを貫き通していけるかがカギになると思います。ピッチャー陣は少し駒不足。中継ぎには力があるピッチャーがいるので、先発をどうするか」

 メジャー経験があり、2018年に中日でプレーした左腕のロメロが7月後半に来日し、今季初登板となった8月22日のソフトバンク戦では強いストレートを軸にまずまずの投球を見せた。

 加えてポイントになるのが、高卒2年目の佐々木朗希の起用法だろう。

 ここまで6試合で1勝2敗、防御率3.73。前半戦は中10日以上の登板間隔を開け、中断期間明けも8月15日のオリックス戦の翌日に登録抹消された。質の高い球を投げているが、現場を預かる監督は"育成と勝利の両立"をどのように行なえばいいのだろうか。

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