「自分は何をしているんだろう」。楽天・早川隆久は同世代の活躍にヒントや力をもらった (2ページ目)
甲子園で注目された「将来有望な高校生」は早稲田大に進み、アマチュアで「ナンバーワン左腕」に変貌したのはインタビュー前編で述べたとおりだ。大学4年間で大きく成長できた裏には、早稲田特有の環境に身を置いたから開けた視界がある。
「早稲田にはいろいろなスポーツのトップレベルの選手がいます。同い年くらいで世界で活躍している選手を見て、『自分は何してるんだろう?』ってみじめに感じたり、逆にそういう選手たちに戦い方についてアドバイスをいただいたりして、モチベーションを高く持てたからこそ、ここまで来たのもあります」
平昌五輪にスノーボード日本代表として出場した鬼塚雅や、サッカー・ロシアリーグのルビン・カザンでプレーする齊藤未月らが早稲田の同学年だ。学外の同世代に目を広げると、東京五輪ではスケートボード男子ストリートで堀米雄斗が金メダルを獲得した。1歳上にはテニスの大坂なおみや、東京五輪の男子サーフィンで銀メダルを獲得した五十嵐カノアにも刺激を受けている。
年が近いアスリートに「負けたくない」という気持ちもなくはないが、世界の大舞台で活躍している姿を見ると、純粋にカッコいいと感じる。
「同年代のアスリートが世界で戦っている姿を見ると、刺激になりますし、すごくモチベーションになりますね」
木更津総合高校を卒業する際、「自分にはスバ抜けた武器がない」と大学進学を決めた。それから4年間、グラウンドやキャンパスで自身を総合的に磨き上げた結果、プロ1年目から活躍するための武器を身につけることができた。
「フォアボールが本当に少なくなりました。高校の時には多かったけど、プロに入って改善できたと思います。自分が投げたい球を投げられているのもそうですし、逆にバッターがボール球を追いかけてくれているのもあります。トータル的によくなりましたね」
規定投球回数に達していた今年5月中旬、「ボール球を振らせる率が12球団で最も高い」とニュースになった。ストライクゾーンから外れる球を振らせることができれば、自然とアウトにする確率は高くなる。
2 / 4