「飛び蹴りの前に伏線があった」。元カープ・高橋慶彦と正田耕三が明かした「あの事件」の真相 (3ページ目)
―― ちょうど話が核心に入ってきましたが、原因はなんだったのでしょう?
高橋 ショウが「痛い、痛い」って言うから。
正田 (笑)
「飛び蹴り事件」をはじめ、思い出話に花を咲かせる二人
高橋 俺たちは洗脳されとったから。古葉さん(竹識/当時広島監督)や(山本)浩二さんから、「ケガをしても痛いって言うな」って。それなのに、ショウは「痛い、痛い」って。最初は俺も「もうわかったから」って、ちょっと我慢したよな。でも、ショウはまだ「痛い」って。だから俺も「痛いとか言うなら、試合出るな、ボケ! こっちが迷惑じゃ」って。
正田 そうでしたね。
高橋 いつも神宮で、二人で試合前に走っていたんだよな。そうしたら、こいつが無視したんだよ。俺のことを無視して、こっちに来ない。「ウォラ~、無視すんじゃねぇ!」と走っていって、思い切り飛び蹴りして。
正田 達川さんが仲に入ってくれましたよね。
高橋 入ったかな?
正田 入りましたよ。それで高橋さん、達川さんも蹴飛ばしてましたよ。達川さんのほうが先輩ちゃうんすか?
高橋 一つ上よ。でも、プロに入ったのは俺のほうが早かった。まあ、ケンカを止めたら、やられるよな(笑)。そういう事件はいろいろとある。
―― 正田さんにも言い分があるのではないでしょうか?
正田 僕はスライディングして肩をケガして、本当に痛かったんですよ。高橋さんは覚えていないかもしれないけど、飛び蹴りの前に伏線があったんです。昼飯の時に品川プリンスホテルの狭い廊下ですれ違って、めちゃくちゃ怒られた。「痛いとか言うんじゃねぇよ、ゲーム出てんのに~。わかってんのか!」って。こちらからすれば、「いや、痛いのに......」って(笑)。
高橋 はっはっはっ!
正田 いや、本当に痛かったんですよ。もう肩が上がらんくらい。それでもゲームには出ていて。それなのに品川で高橋さんからガミガミ言われて、グラウンドでも。よし、無視したろと思って(笑)。
高橋 (笑)
正田 そうしたら、二遊間を組んでいるのに高橋さんがサイン出してくれないんですもん。相手ランナーが盗塁してきたら、どっちがベースカバーに入るか先輩の高橋さんがサインを出すんですけど、こちらがパッて見たら全然見てくれない。「高橋さん、高橋さん!」と呼んでも、無視ですよ。絶対に聞こえてないわけがない(笑)。
高橋 うん、まあでも、面白かったな。いろんなことがあって(笑)。
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