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侍ジャパンの投手陣を山本昌が分析。「あの投球が大きかった」と絶賛した投手は?

  • 中島大輔●文 text by Nakajima Daisuke
  • photo by JMPA

 野球日本代表「侍ジャパン」は8月2日、東京五輪のノックアウトステージ第2ラウンドでアメリカと対戦。日本は3回裏に吉田正尚のセンター前タイムリーなどで2点を先行したが、4回に先発・田中将大が逆転され継投策に。5回には3番手・青柳晃洋が3ランを打たれてリードされたが、直後に鈴木誠也のソロ本塁打などで1点差に迫ると、土壇場の9回裏に1点差を追いつき延長タイブレークへ。10回表を栗林良吏がゼロで凌ぐと、裏の攻撃で甲斐拓也がタイムリーを放って劇的勝利を飾った。粘り強い戦いで準決勝進出を決めた要因について、野球解説者の山本昌氏に聞いた。

タイブレークとなった延長10回、アメリカ打線を無得点に抑えた栗林良吏タイブレークとなった延長10回、アメリカ打線を無得点に抑えた栗林良吏この記事に関連する写真を見る── 実力伯仲の好ゲームになりました。まず、先発の田中投手についてはどのような印象を受けましたか。

「そんなに状態がよくないなかでも三振をしっかり奪い、序盤は0点に抑えていました。4回に点を取られた場面ですが、田中投手ほどのピッチャーでも慎重になったのか、カウントを悪くする場面が多かったですね。この試合で先発したことについては、アメリカ選手の攻め方も知っていますし、なにより相手にとって一番有名な投手ですので、"格"という部分も含めて正解だったと思います」

── 4回に3点を取られ、なおも二死二、三塁のピンチで岩崎優投手に代えました。

「ベンチは『もう1アウト取ってくれ』と思うかもしれませんが、決勝トーナメントですので、逆転されたところで継投を考えるのは当然の策だと思います。代わった岩崎投手が1球で切り抜け、ピンチを脱した。あの継投は成功だったと思います」

── 5回から青柳投手を送りました。ドミニカ戦では2番手で投げて2失点しましたが、この起用についてはどう思われましたか。

「ドミニカ戦はよくなかったけど、アメリカ戦でいいピッチングをして自信をつけてほしいという狙いがあったのかもしれません。右の変則投手で、使い勝手のすごくいいピッチャーですのでこの場面を託したのでしょう」

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