稲葉ジャパン、ドミニカ戦での改善点。「継投、選手起用、作戦に反省すべき点が出た」

  • 中島大輔●文 text by Nakajima Daisuke
  • photo by JMPA

 東京五輪で悲願の金メダルを目指す野球日本代表「侍ジャパン」が7月28日、オープニングラウンド初戦でドミニカ共和国と対戦。先発・山本由伸が6回無失点と好投したあと、7回に2番手の青柳晃洋が2点を先制される苦しい展開となったが、9回裏に甲斐拓也のセーフティースクイズで同点に追いつくと、坂本勇人のセンターへのタイムリーで4対3のサヨナラ勝ちを飾った。初戦で出た課題をどう解消し、7月31日に行なわれるメキシコ戦に臨むべきか。ロサンゼルス五輪の金メダリストである秦真司氏が、ドミニカ戦を振り返った。

坂本勇人のサヨナラ安打でドミニカに辛くも勝利した侍ジャパン坂本勇人のサヨナラ安打でドミニカに辛くも勝利した侍ジャパンこの記事に関連する写真を見る── 初戦のドミニカ戦は7回に先制され、9回までリードされるという苦しい展開でした。

「ドミニカは先発のC.C.メルセデスが思った以上にデキがよかったので、接戦に持ち込めたと思います。逆に日本からすれば、この戦い方でサヨナラ勝ちをできたのは大きかったですね。稲葉(篤紀)監督も選手たちも初戦で緊張した部分がありました。継投や選手起用、作戦も含めて反省すべき点が出たので、もう一度、適材適所を練り直していく必要があると思います」

── まずは試合を分けたポイントを教えてください。

「2点を追いかける9回一死一、二塁から村上(宗隆)がライト前にタイムリーを放った場面です。相手投手のカバーミスなどでチャンスをもらいましたが、2点差で一死1、2塁ならまだ相手が有利。ドミニカからすればゲッツーを狙える場面ですし、走者を進められてもツーアウトにできれば日本を追い詰めることができる。あそこで村上が打ったのは、ものすごく大きかったです」

── 直後、甲斐選手のセーフティースクイズ(記録は野選)で同点となりました。

「それも村上がライトに引っ張り、一、三塁としたことに価値があります。1点差で一、三塁ならバッターは楽な気持ちで打席に入れますし、ベンチも動きやすい。あの場面で甲斐にセーフティースクイズのサインを出せたのもそれが大きかった。ただし、走者を代えるタイミングはワンテンポ遅いと感じました」

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