岡本和真の昨年と今年の違いをラミレスが指摘。何ができていないのか?

  • 長谷川晶一●取材・文 text by Hasegawa Shoichi
  • photo by Sankei Visual

【ラミレス氏から見た岡本和真のすごさ】

 2018(平成30)年シーズン途中に、第89代読売ジャイアンツ4番打者として抜擢された岡本和真。この年は全試合に出場し、史上最年少となる22歳3カ月で「3割、30本、100打点」以上を記録して大ブレイクを果たした。以来、岡本はその重責を果たし続けている。

開幕してしばらく不調だった岡本開幕してしばらく不調だった岡本この記事に関連する写真を見る 今季も、開幕当初こそ不振にあえぐ姿が見られたものの、交流戦を控えた現時点ではすでに復調の気配を見せており、「ここぞ」という場面での勝負強い打撃で、首位阪神を追走する原動力となっている。その岡本の打撃を、前横浜DeNAベイスターズ監督にして、現役時代には、第74代4番を務めた巨人OBでもあるアレックス・ラミレス氏はどう見ているのか。

「僕がDeNAの監督だった頃から、岡本のポテンシャルやパワーはすばらしいと思っていました。これは去年のことですけど、2020年の途中から打席での立ち位置がピッチャー寄りになっていました。でも、それ以前はギリギリまでキャッチャー寄りに立っていました。その理由はわかりません。ただ、ピッチャー寄りに立つことによって、アウトコースに逃げる変化球を、完全に曲がり切る前にさばける利点があるんです」

 すべての物事は表裏一体の関係にある。「ピッチャー寄りに立つ」ことで変化球をさばきやすくなるメリットがある一方、当然デメリットもあるはずだ。ラミレス氏は言う。

「もちろんです。ピッチャー寄りに立った時、インコースに力のある速球を決められれば、どうしても詰まりがちになります。でも、日本の投手の場合、いや、特にセ・リーグの投手の場合、インコース中心に攻めてくる投手はほとんどいないし、そのような配球もあまりありません。これは打者としての考え方次第ではありますが、『インコースが来たらもう仕方ない』と割り切る必要があるんです」

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