佐々木、奥川より早くブレイクか。オリックス宮城大弥には制球力、分析力がある (2ページ目)
「1軍では初めてのビジターゲームだったので、緊張して周りが見渡せなかったことが印象に残っています。点は取られてしまいましたけど、いい感じで投げられたボールには手応えがありました。でも強く残っているのは、打たれたイメージのほうかな。キャッチャーの構えたところへいった球は抑えられた、キャッチャーの構えと逆の球はほぼ打たれてしまった......そこをしっかり修正できれば1軍相手でもゼロに抑えられるはずだ、という手応えを感じられた試合でしたね」
プロ1年目の宮城はウエスタン・リーグで自己最速の153キロをマークするなど、2軍で好投を続けた。最終的には2軍で13試合に登板し、6勝2敗、防御率2.72という好成績を収め、ウエスタン・リーグの最多勝利投手賞、優秀選手賞、殊勲賞、ビッグホープ賞など、軒並み賞を獲得した。
シーズン終盤には1軍でのマウンドも経験し、11月6日のファイターズ戦では12球団の高卒新人として一番乗りのプロ初勝利をマークしている(1軍では3試合で1勝1敗、防御率3.94)。宮城はプロ1年目をこう振り返った。
「去年はあまり考えすぎないように、あとは周りのすごい先輩方と自分を比べないようにしようという感覚でやっていました。周りにいるのは山岡(泰輔)さんとか(山本)由伸さんですから......僕、気になるのは右ピッチャーなんです。そもそも左ピッチャーのことは見ないようにしていますから......だって、どうしても気にしちゃうじゃないですか。ほかの左ピッチャーを気にすると(自分のピッチングが)ブレる気がするんです。
子どもの頃は三振の取れる左ピッチャーに憧れました。甲子園で投げていた花巻東の(菊池)雄星さんとか、桐光学園の松井裕樹さんとか、すごく速い球を投げていてカッコいいなと思っていました。えっ、島袋(洋奨)さんですか? もちろんすごかったんですけど、島袋先輩とは高校時代、あまりに比べられて(甲子園で春夏連覇を果たした時の興南のエース左腕)、僕のほうがダメなことだらけでしたから、憧れというよりもかなりリアルな存在なんですよね(苦笑)」
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