ヤクルト高津監督が弱体投手陣に喝!「もっと歯を食いしばってやってほしい」 (3ページ目)
── 高津監督が現役だった1997年、ヤクルトは広島を自由契約となった小早川毅彦選手を獲得。巨人との開幕戦で小早川選手が5番に入り、斎藤雅樹投手から3打席連続本塁打を放ちました。そしてその年、チームはリーグ優勝を果たしました。
「あの試合は覚えています。開幕戦で小早川さんが打って、チームが波に乗ったというのはあります。そんなことがまた起こるかはわかりませんが、『内川が入って勝てたね』という存在であってほしいですね。このキャンプでもバッティング練習する姿であったり、若い選手たちにいろいろな刺激を与えてくれたと思います」
── 6番以降も新外国人のふたりが加われば、より強力になります。さらに、昨年は手薄だった代打陣にも厚みが出てきます。
「そうですね。あとはキャッチャーに誰が入るか......ですね。投手も含めた打線というのを考えたときに、キャッチャーの打力というのも大事だと思っています」
── 不安の投手陣についてもお聞きします。
「結局、そこになりますか(笑)。やはり、僕は投手出身なので心配事の多くはピッチャーのことです。現実的に(小川泰弘、アルバート・スアレスに続く)3番手以降の先発が決まらない状況です。何も決まっていない状態でキャンプに入り、そのなかで『競争、競争』と言い続けてきました。
たしかに、競争はしてくれていますが、高いレベルでの競争と言えるのかどうか......。もっと相手打者、チームメイトを意識して、根性野球じゃないですけど、しがみついてでも残っていくという強い精神力が必要なんじゃないかと思います。ウチの投手陣は脆さ、弱さ、優しさがあるような気がします」
── 今年のキャンプはバッテリー力の向上につながればと、OBの古田敦也さんを臨時コーチとして招かれました。
「今回、古田さんに来ていただいて思ったことがありました。あの頃って(90年代のヤクルト)、ワイワイ楽しくやっていても、『絶対にジャイアンツを倒すんだ!』『野村(克也)監督の要求に応えてやるんだ!』と闘志むき出しでやっていた。今のピッチャーには『オレが何とかしてやろう』という気持ちが少ない感じがします。結果がよくないからそう見えるかもしれませんが、僕らが現役の頃はもっと歯を食いしばってやっていましたね」
── 監督として2年目のシーズンとなります。昨年のこの時期に話を聞いた時は「勝ちますとはまだ言えませんが......」と話されていました。
「失敗を糧にして、去年と比べれば監督としてしっかりできているんじゃないかと思っています。こういうことはあまり言いたくはないのですが......。去年は本当に悔しい思いをしたので、牙をむき出しにしてやっていきたいです」
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