ホールド王・清水昇はヤクルト最強の質問魔。
山田哲人に「僕の投球は?」と聞いた (2ページ目)
ブルペンではシーズンを見据えて、1日の球数を30〜40球に設定。ただし、このキャンプでは最大3連投の日もあり、トータルでの球数は昨年とさほど変わらないという。
「中継ぎは毎日自分の力を出すことが求められますし、少ない球数のなかでどれだけいい投球をできるかが重要になります。それこそ去年は、自分が納得するまで200球投げる日もありましたけど、今年は調子の良し悪しにかかわらず、『ここまで』と決めたら切り上げます。
その過程で気になることが見つかったとしても、その時の感情だけで動かず、課題は翌日に持ち越します。だからこそ、ブルペンじゃないところで......キャッチャボールや立ち投げの時にも、問題を解決しようと時間を使っている感じですね」
今シーズン、清水が求めるピッチングのイメージについて聞いてみた。
「藤川球児さん(元阪神)のような吹き上がる豪速球に憧れますが、1年目はそれを求めた結果、ボールをコントロールできませんでした。去年はその失敗をもとにコントロールを求めてやったので、今年はそこを突き詰めていきたいですね。石川(雅規)さんや三浦大輔さん(現DeNA監督)のように、相手打者が嫌がるコースに投げられる、間違いのないコントロールを身につけたいです」
石井弘寿投手コーチは、清水について「投げるボールよりも、意識の変化を強く感じます」と語る。
「去年も強くていいボールを投げていましたが、ウイニングショットの投げミスでチームが負けるような失点がありました。今年はそれをなくそうと、その強いボールを『低めに投げるんだ』という意識を感じます。
ブルペンには石山(泰稚)という絶対的守護神がいますが、五十嵐(亮太)や近藤(一樹)の退団によって、若い選手が多くなった。清水の立ち位置はまだ大卒3年目ですが、投げる姿と結果を示すことで、若い選手たちの精神的支柱になってくれたらいいですよね」
清水と話していると「石川さんや近藤さんからストレッチについてのアドバイスをもらいました」「去年は五十嵐さんや石山さんにブルペンでの過ごし方を聞きました」「青木(宣親)さんもキャンプはいつもゼロからのスタートだよと話されていました」など、先輩たちに積極的に質問し、会話していることがわかる。
2 / 4