ホールド王・清水昇はヤクルト最強の質問魔。山田哲人に「僕の投球は?」と聞いた

  • 島村誠也●文 text by Shimamura Seiya
  • photo by Koike Yoshihiro

 ヤクルトの春季キャンプ(沖縄県浦添市)での清水昇の姿を見れば、充実したオフを過ごしたことが容易に想像できた。臀部から大腿部にかけての筋肉は、大地に根を張るようにたくましく、自分のすべきことを理解した練習風景を見れば、3年目のさらなる飛躍への期待は増すばかりだ。

「自分では特別大きくなったとは感じていませんが......トレーニングをしているうちに体が変化しているというか」

昨年、最優秀中継ぎ投手のタイトルを獲得したヤクルト・清水昇昨年、最優秀中継ぎ投手のタイトルを獲得したヤクルト・清水昇 昨シーズン、清水はリードされた展開での中継ぎからスタートするも、11試合連続無失点を記録するなど信用を積み重ね、やがてセットアッパーとしてチームに必要不可欠な選手となった。最終的にリーグトップタイの30ホールドを記録し、最優秀中継ぎ投手のタイトルを獲得。0勝(4敗)でのタイトル奪取は、プロ野球史上初の出来事だった。

「52試合に投げて勝ちはつきませんでしたが、史上初というのはちょっとうれしかったです。次にそういう選手が出ても、『2020年の清水以来』という表現になりますので(笑)」

 オフにタイトルを獲ったことへの余韻はあったのかと聞くと、「それが思っていたよりありませんでした」と返ってきた。

「まず頭に浮かんだのは『今と同じ真っすぐや変化球では来年はダメだ』ということでした。どうすれば今と違う自分になれるのか。そこですぐに動作解析をして、器具やマシンを使うのではなく、自分の体重を利用する"自重トレ"を取り入れました」

 そうして「調整ではなく成長の場所にしたい」と、昨年同様「ゼロからの気持ち」でキャンプを迎えた。

「ただ、同じゼロからでも進み方は違いました。去年はブルペンで200球を投げ込んだり、本当にさまよっていましたので(笑)。今年は手応えを感じたボールに対して、キャッチャーの方たちが『今のボールよかった』と言い切ってくれる。去年は『今のよかったけど』と、"けど"がつくことが多かったんです」

 たとえば、2月24日のブルペン。スライダー、フォーク、カーブ、ツーシームのコントロールは目を見張るものがあった。変化球を左右だけでなく、高低も操れることで強い真っすぐがよりいっそうよく見えた。

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