ヤクルトの4649安打の教材。内川聖一&青木宣親が若手に与える影響 (3ページ目)

  • 島村誠也●文 text by Shimamura Seiya
  • photo by Koike Yoshihiro

 内川に打者としてのチームでの役割について聞くと、こんな答えが返ってきた。

「自分自身がどういう役割を担うのかは、開幕直前にならないとわからないので、そこはこれから考えます」

 チームのなかでどういう存在でありたいかについて聞くと、「今は新しく入った選手なので、周りの選手が自分に興味を持ってくれているというだけの話ですので......」と言い、こう続けた。

「右打者と左打者って似ているところもありますけど、違うところもあると思っています。そういうなかで、右打者として今までやってきたことや経験したことを、聞かれれば伝えたいと思っています。

 また伝えることで、『自分はあの時はあんなことをやっていたな』と思い出すことがたくさんあるのではないかと......。伝えることで、若い選手たちプラスになればうれしいですし、僕自身も思い出すことがあればいいなと思っています」

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 内川には2年連続で最下位に沈むチームに、勝者のメンタリティーを伝えることも期待されている。

「ただ、僕自身は勝者とは思っていません。ソフトバンクは4年連続日本一になっていますが、そこにいたというだけの話ですから。僕が経験したことが必ずしもすべてではありません。ヤクルトというチームに入団して、試合をしていくなかで自分の感じたことなどを伝えながら、もっとヤクルトのことを知りたいと思っています」

 2月23日の巨人との練習試合。内川は5番を任され、1回裏二死一、二塁の場面で、2ボールから3球目を「きちんとワンスイングで打ち返すことができました」とセンターへタイムリー安打を放った。

 試合後の囲み会見で、5番に座ったことについてこう話した。

「5番という打順を打つことの意味というか、やっぱり青木さんがいて、テツト(山田哲人)がいて、ムネ(村上宗隆)がいて......そのあとを打つバッターの重要性を感じましたので、そこは大変だなと思いました(笑)」

 内川と青木という"生ける教材"は、ヤクルトにとって大きな武器となるはずだ。

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