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DH制はリリーフ陣の負担を軽減⁉︎
ブルペンマネジメントに見るセ・パの差 (5ページ目)

  • 高橋安幸●文 text by Takahashi Yasuyuki
  • photo by Koike Yoshihiro

 一方、コーチ経験も豊富な鹿取氏はどう見ているのだろう。リリーフ投手の負担に差はあるのだろうか。

「僕はそれほど負担の違いはないと思う。ストレスがかかるのはリリーフの宿命だから。ただ、負担があると考えるのなら、コーチがリリーフのローテーションを組めばいい。もちろん、すでにそういう方針で運営してきたチームはあるし、3連投はしないとか、何らかのルールをつくってあげればいいと思う」

 では、もしもセ・リーグにDHが導入された場合、ブルペンのマネジメントが大きく変わることはあるのだろうか。

「変わるでしょう。ただ、急には変わらないと思うし、パ・リーグのように先発を引っ張らないと思う。3回で5点取られたら、監督は代えたくなりますよ。なぜなら、打線に力がないから。DHでちゃんと打てるバッターが用意されていないので、逆転できるだけの力がないということ。50年近くDH制を続けてきたパ・リーグと同じことを、すぐにはできないと思う」

 セ・リーグの野球は、70年あまり変わらずに続いてきた。新しい制度が定着するまでにはかなりの時間がかかりそうだ。今後何十年も、セ・パの差はついたままなのだろうか。

「そこはパ・リーグの実績があるだけに、真似することはできる。パ・リーグが先にやっていることはすべてできるはずなので、早い段階で差が埋まる可能性はあると思います」

 DH制導入によって、投手の負担が軽減される可能性は見えた。そして導入を決めたならば、セ・リーグはパ・リーグから数多く学ぶ必要がある。

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