カブレラJr、巨漢投手、二刀流...。BCリーグ茨城が怪しすぎて面白い (2ページ目)

  • 中島大輔●取材・文 text by Nakajima Daisuke
  • photo by AFLO

 2015年にシンシナティ・レッズでメジャーデビューしたラモンは控え捕手として同年13試合、翌年61試合に出場。以降はマイナーリーグやアメリカの独立リーグを渡り歩き、31歳になった今年、日本にチャンスを求めた。茨城で活躍して西武入団......ともなれば、日本の野球ファンは大いに湧き立つはずだ。

 カブレラJr以外のふたりも、光る特徴を持つ。

 右腕投手のセサル・バルガスは188cm、107kgで、体格だけを比較すれば西武、巨人時代に"マルちゃん"の愛称で親しまれたドミンゴ・マルティネス(185cm、102kg)を上回るほどだ。その巨漢から最速157キロを叩き出す。2016年にサンディエゴ・パドレスでメジャーデビューし、2019年3月にはメキシコ代表として侍ジャパンを1回無失点に抑えた右腕に、色川GMも太鼓判を押す。

「レベル高いですよ。この冬もメキシコのウインターリーグで94〜96マイル(151.3〜154.5キロ)をコンスタントに投げていました。それにカットボール、カーブ、スライダーがあり、コントロールがよくて省エネで投げられる。日本で相当通用すると思っています」

 それほどの実力者が独立リーグに来たのは、色川GMの人脈が活かされている。茨城のGM就任が決まった際、メキシコ代表のGMに報告した。「僕が何をほしいか、わかっていますよね?」。そう伝えると、紹介された選手のひとりがバルガスだった。

 加えて、ユニークな経歴を誇るのが「カリブの二刀流」ことダリエル・アルバレスだ。色川GMによれば、投手として野球人生をスタート。キューバリーグでは強打の外野手として頭角を現し、23歳でメキシコに亡命、2013年にボルチモア・オリオールズと契約した。

 2015年にメジャーデビューしたが、思うように活躍できず、2017年に投手に転向する。同年、ひじの故障でトミー・ジョン手術を受けた。

 結局、メジャーでは活躍できなかったものの、2019年からメキシコリーグに移ると二刀流としての才能が花開いた。外野手として打棒を発揮するだけでなく、試合途中からマウンドに上がって150キロ台の速球で相手バッターをねじ伏せる。米データサイト『ファングラフス』によれば、2015年に外野手からの送球で100マイルを記録しており、その豪腕をマウンドでも存分に発揮している。

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