内川聖一が現役にこだわる理由。新天地で楽しみたいこと、学びたいこと

  • 原山裕平●取材・文 text by Harayama Yuhei
  • photo by スポーツ報知

【独占】内川聖一インタビュー@後編

 10年間在籍した福岡ソフトバンクホークスを離れ、内川聖一が新天地に選んだのは、東京ヤクルトスワローズである。他球団からもオファーがあったが、スワローズ入りの決め手になったのは、横浜ベイスターズ時代の恩師の存在だという。

21年目のシーズンに向けて動き始めた内川聖一21年目のシーズンに向けて動き始めた内川聖一「2008年に首位打者を獲った時に、杉村(繁)コーチから多くのことを学びました。そのコーチともう一度、一緒にやりたいというのが大きかったですね。杉村さんとは本当に濃い時間を過ごした。そういう人がいてくれるというのが、選ぶうえでの材料になりました」

 若い頃に師事したコーチから再び打撃向上のヒントを得たいという想いもある。だが、内川が杉村コーチから学びたいのは、将来を見越したものでもある。

「僕が結果を出すためにバッティングを教わるというよりも、技術を伝える側の立場に興味があるんです。杉さんは、こういう状況の時にどういうアドバイスをしてくれるのかなって。そういう部分を感じることで、僕が現役を辞めて伝える側になった時に、役立つことがいっぱいあるんじゃないかなと。そこが自分にとって一番大きかったです」

 もちろん、恩師の存在だけが移籍の決め手になったわけではない。スワローズという球団に対する好印象もある。なかでも、打撃に特長がある選手が多いのは、内川のバットマンとしての想いを刺激した。

「右バッターで言えば山田哲人がいて、左だと村上(宗隆)くんや青木(宣親)さんもいる。そういった選手たちとチームメイトになることで、刺激をもらえると思いますし、彼らがどんな練習をしてきて、進化してきたのか。そこは興味がありますし、聞いてみたいですね」

 高津臣吾監督とも、すでにコミュニケーションを取ったという。

「入団が決まった時にお話させてもらいました。『頼むぞ』という感じで言ってくれたので、純粋にうれしかったですね。これから話す機会も増えると思うので、そのなかでチームにとってどういう役割をすればいいのか。そこを確立させたうえで、レギュラーシーズンに臨んでいきたいです」

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