2020.11.26

原巨人は全試合DH制導入が裏目。
セ全体でこの惨敗を受け止めるべき

  • 田口元義●文 text by Taguchi Genki
  • photo by Sankei Visual

 日本シリーズ第4戦はソフトバンクが4−1で巨人に勝利し、4年連続11度目の日本一に輝いた。ソフトバンクは先取された直後の1回裏に、柳田悠岐の2ランで逆転。2回には甲斐拓也に2ランが飛び出し、そのリードを7投手による小刻みな継投で逃げ切った。巨人は初回に1点を先制しながらも追加点が奪えず、昨年に続きソフトバンクに4連敗を喫してしまった。第4戦のポイントと、シリーズ通しての両チームの圧倒的な差を、巨人OBの小田幸平が解説する。

このシリーズ15打数2安打と精彩を欠いた巨人・丸佳浩 日本シリーズ開幕前から、ソフトバンクが主導権を握ると思っていました。それは全試合でDH制を採用したからです。

 投手の故障リスク軽減などの観点から、ソフトバンク側がNPBに提案。巨人も承諾したことで、1985年の阪神対西武の日本シリーズ以来の導入となったわけですが、ソフトバンクにとってはこれが見事に功を奏した結果となりました。

 セ・リーグ主催となった第1戦、第2戦で例年どおりピッチャーが打席に立っていれば、代打を送らなければいけない場面もあったでしょうし、起用に頭を悩ませていたはずです。ピッチャーだって打席に立つことでリズムが狂い、本来の調子を出せない選手もいたかもしれません。

 ところが全試合でDH制が採用されたことで、12球団でダントツのチーム防御率(2.92)を誇るソフトバンクの投手陣がフル活用できたわけです。

 第4戦に関して言えば、先発したソフトバンクの和田(毅)の調子はよくありませんでした。ピッチングのテンポが悪く、変化球もストライクが入らない。ストレートも逆球が目立っていました。初回だけで30分、2回までに48球を費やすなど、明らかに苦しんでいました。

 ソフトバンクベンチも「状態が悪い」とすぐさま和田に見切りをつけ、3回から松本(裕樹)をロングリリーフで投入。シリーズで当たっていない丸(佳浩)を迎えた5回2アウト一塁のケースでは、左の嘉弥真(新也)を定石どおりのワンポイントで起用する周到ぶり。