原巨人は全試合DH制導入が裏目。セ全体でこの惨敗を受け止めるべき (2ページ目)

  • 田口元義●文 text by Taguchi Genki
  • photo by Sankei Visual

 その後も高橋礼、岩嵜(翔)、モイネロ、森(唯斗)の盤石リレーで巨人打線を抑え込みました。3連勝と圧倒的に優位な立場でいながら、王手をかけた第4戦でも気を緩めることなく7投手を起用し、本気で巨人を倒しにいった。4連勝も納得です。

 一方で「受けて立ちます」と、全試合DH制を受け入れた原(辰徳)監督でしたが、これが完全に裏目となったのは否めません。

 2戦目までDH出場の亀井(善行)が6打数ノーヒット。第3戦からはそれまでの2試合で1本塁打、3打点と、巨人打線で唯一気を吐いていたウィーラーをDHとして起用しましたが、2試合通算6打数ノーヒット。

 巨人にしてみれば投手が打席に立たなくていい分、攻撃的なオーダーを組めるはずでしたが、結果的に機能しなかった。ソフトバンクの投手陣がよかったこともありますが、最後までプレッシャーをかけることができなかった。

 また攻撃陣においては、チグハグな攻めも目立ちました。第4戦はそれが顕著に現れた試合でした。

 それまでの3戦から大幅にオーダーを変え、1番・若林(晃弘)、2番・坂本(勇人)の連続ツーベースで効果的に1点を取ったところまではよかったのですが、そのあとの攻めがまずかった。

 ノーアウト2塁から3番の丸が逆球となった2球目のインコースのボール球に手を出し、ファーストへのファウルフライになってしまいました。ここで彼に求められるのは、最低でもセカンドゴロなど進塁打を打って、ワンアウト三塁の場面をつくること。初回なら相手も前進守備を敷きませんから、4番の岡本(和真)は「内野ゴロでも1点入る」と気楽に打席を迎えられたはず。

 しかし、丸のアウトで負の連鎖が生まれたのか、岡本は三振。つづくウィーラーも打ち取られ、結局、初回は1点のみに終わってしまった。

 この日の和田のデキからすれば、もっと冷静に攻めていれば少なくとも2点は取れていたはず。ここにも、3連敗と追い詰められていた巨人の余裕のなさが現れていたような気がしました。

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