原巨人は全試合DH制導入が裏目。セ全体でこの惨敗を受け止めるべき (3ページ目)

  • 田口元義●文 text by Taguchi Genki
  • photo by Sankei Visual

 今回のシリーズを通して感じたことは、巨人打線がソフトバンク投手陣のボールに最後まで対応できていなかったこと。とくにストレートにまったくついていけなかった。

 ソフトバンクは登板したほとんどの投手が150キロ以上のボールを投げていました。基本は、追い込むまでストレート中心で、2ストライクから変化球で打ち取るスタイル。バッターに応じてコースや緩急を使い分けながらリードしていたキャッチャーの甲斐もすばらしかったですが、各打者がストレートに差し込まれていた。

 厳しいことを言いますが、ソフトバンク投手陣の顔ぶれが昨年とそれほど大きく変わっていません。にもかかわらず、これほど完璧に封じ込まれたというのは、対策が未熟だったと言われても仕方ありません。日本シリーズワーストのチーム打率.132、4試合で16安打、4得点という数字がすべてを物語っています。

 セ・リーグもDH制を採用すべきという意見も出ていますが、それだけでパ・リーグとの差が埋まるとは思えません。まずは選手一人ひとりの意識を変えることから始めないといけない。いずれにしても、2年続けて0勝4敗に終わったという現実を、巨人はもちろん、セ・リーグ全体として受け止めないといけないと思います。

小田幸平プロフィール
1977年兵庫県生まれ。市川、三菱重工神戸を経て、97年にドラフト4位で巨人に入団。2006年に中日へ移籍してからは控え捕手として黄金期を支え、14年に現役引退。19年から四国IL・愛媛でヘッドコーチを務めた

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