オリックスの悲劇に学べ。同一カード
6連戦の戦い方を名コーチが解説 (3ページ目)
そしてもうひとつ大事なことは、大型連敗をしてしまった時の戦い方だ。いちばん怖いのは、ただ漠然と試合をして黒星を重ねることだ。私ならローテーションの再編、配置転換、選手の入れ替えなど、あらゆる手を尽くして目の前の試合を取りにいく。それぐらいの思い切りが必要だ。
1週間で6つもの借金をつくってしまうと、後々の戦いが本当にしんどくなる。とくに今年は試合数が少なく、連戦が多いため、取り戻すのは並大抵のことではない。だからこそ、連敗の怖さをいつも以上に意識することだ。
プロ野球には、シーズンの波というのがある。たとえば、3月末に開幕すれば夏場に入る前に1回目のバテが襲う。そこを乗り越えても、シーズンが佳境になる9月中旬に2度目のバテがくる。本来なら、この時期に万全の状態に持っていけるようにするため、8月終わりから選手を休ませながら戦っていくのだが、今年に限ってはその経験則があてはまるかどうかわからない。
しかも、コロナ禍の影響で開幕前の練習も不十分だったに違いない。それに何日も続けてホテル生活を強いられ、容易に外出もできない。そうしたことを鑑みると、肉体的にも精神的にも相当追い込まれている。いつもよりも早くバテがくるのではないかと思う。首脳陣は選手の状態を見極める"眼力"が必要になるだろう。
普段どおりのシーズンではないからこそ、固定観念にとらわれることなく、臨機応変に対処していかなくてはならない。それができたチームが最後に笑うことになるだろう。
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