12球団の「もったいない選手」たち。能力は超一流も定位置奪取できない (3ページ目)

  • 菊地高弘●文 text by Kikuchi Takahiro
  • photo by Koike Yoshihiro

 そんななか、注目は12球団最強の選手層を誇るソフトバンクである。

 現時点で実績のある内川聖一、中村晃が一軍におらず、キューバからデスパイネ、グラシアルは来日すらしていない。そんな窮地にあっても、栗原陵矢というイキのいい若手が出現してしまうところにソフトバンクの恐ろしさがある。

 今のところ外野陣は長谷川勇也、柳田悠岐、上林誠知がレギュラーを固め、前出の中村、グラシアルに、現在は指名打者として出場するバレンティンもいる。さらに快足の周東佑京、ドラフト1位ルーキーの佐藤直樹ら楽しみな若手もひしめく。栗原も外野をこなせる選手だ。

 そんな壮絶なレギュラー争いに割って入るのは至難の業。中堅の域に差し掛かってきた真砂、釜元にとっては非常に苦しい状況だ。

 真砂は身体能力が高く、パンチ力に優れた右打ちの外野手。185センチ、88キロの大きな体ながら昨季はウエスタンリーグで26盗塁(リーグ1位)を決めている。明るい性格で、一軍で活躍できればムードメーカーになりうる資質を持つ。

 釜元は昨季86試合に出場し、11盗塁を記録して一軍定着への足掛かりをつかんだかに見えた。とくに昨年は盗塁技術の進歩を見せ、盗塁死はわずか1だった。意外性のある長打力も魅力だが、今季は同じ右投げ左打ちのドラフト5位ルーキーの柳町達が開幕一軍となり、釜元は二軍で調整している。

3 / 6

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る