ブライアントがアンビリーバブルな一発。
西武に連勝→近鉄を逆転Vに導いた

  • 元永知宏●取材・文 text by Motonaga Tomohiro
  • photo by Sankei Visual

 すぐにチームに打ちとけることができたのは、チームメイトのおかげでもあった。

「金村(義明)さん? デンジャーな人だった(笑)。悪い言葉を教えてくれた、日本語の先生。彼はいつも僕を笑わせてくれました。金村さんがテレビタレントとして活躍していることはよく知っているよ。いつもジョークを飛ばしている人だったし、個性的で陽気なキャラクターだった。彼のテレビでの活躍は納得できるよ。

 近鉄にはファイトのある選手が揃っていた。とくに、村上隆行さんの印象が強い。いつも元気で、明るくて前向きだったね。近鉄の選手たちと一緒に戦うことで、ファイティングスピリットを吸収していったんだと思うよ」

 かつて近鉄が本拠地を置いていた藤井寺は人口7万人足らずの町。ブライアントは地元ファンから絶大な人気を得た。ときには、厳しいヤジも飛んだが、少しも気にならなかった。

「大阪の言葉はキツい? それは知らなかったなあ(笑)。表情で、『嫌なことを言われてるな』と思った時もあったけど、日本語がわからなくてよかったね。自分にとっては勇気づけられるいい声援だった。

 藤井寺球場の収容人数はアメリカのスタジアムに比べれば少ないけど、観客席が近いから、ファンの声援もよく聞こえて、思いがダイレクトに伝わってきた。選手からすれば集中しやすい、ファンにとっては見やすいスタジアムだったね。

 私にとって、藤井寺は楽しい場所だった。デーゲームでは早い時間からたくさんのファンが来てくれた。この町にどうすればアジャストできるかとよく考えたよ。住んでいたのは阿倍野。一番好きな食べ物は、カツ丼だったな」

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