2020.05.21

八重樫幸雄も期待した「真っスラ」のドラ1。1軍1試合で終わった理由

  • 長谷川晶一●取材・文 text by Hasegawa Shoichi

「オープン球話」連載第21回 第20回はこちら>>

【”真っスラ”の使い手は高評価のポイントに】

――今回もスカウト時代の思い出を伺いたいと思います。消費税が8%に引き上げられた2014(平成26)年のドラフト会議では、有原航平(早稲田大)がDeNA、広島、阪神、日本ハムから1位指名を受けて日本ハムへ。ヤクルトは安楽智大(済美高)を指名したものの楽天と競合になり、抽選で外して竹下真吾(ヤマハ)を獲得しました。

八重樫 安楽は甲子園でしか見ていないですね。その時は「これ以上伸びるのかな? 1位はどうかな?」と思って見ていました。ほかのスカウトが実力的に評価していたのか、いろいろな関係性によるものなのか、どういう経緯かはわからないけど、「1位・安楽」というのはかなり早い段階からの既定路線だったみたいですよ。抽選覚悟で安楽を指名して、結果的に外してしまったけどね。

2014年のドラフト1位でヤクルトに入団した竹下 photo by Sankei Visual――その結果、ハズレ1位として竹下を単独指名しました。この指名についてはどんな印象がありますか?

八重樫 竹下も僕の担当ではなかったけど、一度だけ静岡の球場で見たことはあります。都市対抗の予選だったかな? その時は抑えをやっていたんだけど、真っ直ぐがナチュラルにスライドする”真っスラ”なんですよ。カットボールとも違う真っスラなんだけど、これはバッターにとって一番打ちにくいんだよね。ストレートに勢いがあるし、真っスラもよく決まっていたので、「おぉ、これはいいぞ」って感じたよ。