松坂世代の独立リーグ監督はコロナで大打撃。励みは「ヒーロー」の活躍

  • 広尾晃●文 text by Hiroo Koh
  • photo by Hiroo Koh

経営者と独立リーグ監督で奮闘する"松坂世代"大西宏明のいま(後編)

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 2011年オフ、ソフトバンクを戦力外となった大西は現役引退を決意した。

「球団から声はかからなかったですし、もしあったとしても球界に残る気はありませんでした。飲食店をやろうと決めていたんです。引退して野球界に残りたいといろいろ動いたあと、ダメだったから飲食店をやる人もいますが、僕はそうではなく、最初からやりたいと思って始めました」

昨年から関西独立リーグ・堺シュライクスの監督を務めている大西宏明昨年から関西独立リーグ・堺シュライクスの監督を務めている大西宏明 2012年4月、大阪の東心斎橋に焼肉店『笑ぎゅう』をオープンさせた。

「大阪ミナミのど真ん中に、広い店を勢いでつくってしまって......経営者になった今の感覚で言えば、バカでしたね(笑)。飲食店は厳しい商売です。3年もてばいいと言われますが、ありがたいことに今年4月で8年になりました。でも、僕は料理の修業はしていませんし、経営学も学んでいません。すべて店を始めてから勉強しました。

 弟がその前から焼肉店で修業していて、勤め先の社長から経営の勉強もして、開店までこぎつけてくれました。弟が肉や料理を全部用意して、僕は甲子園球児、プロ野球選手・大西宏明のネームバリューでお客さんを呼ぶ。最初は僕目当てのお客さんが9割ぐらいだったと思いますが、それが8割、7割となって、今は肉を目当てに来てくださるお客さんが9割です。ありがたいことです」

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