「自分のスイング=本塁打」。西武・
中村剛也が積み重ねた400号の凄み
無料会員限定記事
日本プロ野球名シーン
「忘れられないあの一打」
第3回 西武・中村剛也
プロ通算400号本塁打(2019年)
泰然自若──。
中村はいつもそうだ。打席の中でも、練習中も、報道陣に対応する時も。肩に余計な力を入れず、自分らしく振る舞う。
昨年7月、プロ通算400号をサヨナラ本塁打で決めた中村剛也「開幕が決まれば、その時に考えればいいかな」
4月2日、メットライフドームで行なわれた西武の全体練習に参加した中村剛也は、新型コロナウイルスの影響でシーズン開幕日が決まらないなかでの調整について、そう話した(4月2日共同通信より)。
「前回は食っちゃ寝、食っちゃ寝していたので」
球団が決めた3月27日から29日までの自宅待機期間中に何をしていたかを問われると、ただのんびりすごしたと答えている(4月3日スポーツ報知より)。
コロナ禍で世界中が不安に包まれる現在、中村のコメントを聞くと一瞬でもホッとできるのは、そんな姿勢が関係あるのかもしれない。
思い出せば2019年7月19日のオリックス戦で延長11回裏、通算400号本塁打でサヨナラ勝利をもたらせた時も、中村は"らしかった"。
4点のビハインドを7回以降に追いつき、延長11回裏の一死走者なし。6番・中村は2ボール、1ストライクからオリックスの守護神・増井浩俊の抜けたフォークが真ん中高めに甘く入ると、レフトスタンドにサヨナラ弾を突き刺した。
1 / 5