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「自分のスイング=本塁打」。西武・
中村剛也が積み重ねた400号の凄み (2ページ目)

  • 中島大輔●文 text by Nakajima Daisuke
  • photo by Kyodo News

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 この場面で通算400号を放つとは、さすが稀代のホームランアーティストだ。興奮した報道陣に囲まれ、最初の質問で「400号を達成できた要因」を聞かれると、中村はいつもどおりに答えた。

「何ですかね。わからないです。フフフ(笑)」

 延長戦で走者なし。大きい当たりを狙う意識はあったのか。

「いや、別に。なかったです。何も考えていないというか。自分のバッティングをしよう、というだけですね」

 文字にすれば、何も面白くない。しかし中村が史上20人目、西武の生え抜きでは初の快挙となる通算400号を成し遂げられた秘訣は、このなかに隠されている。

 自分のバッティング──。

 中村と言えば、誰もが思い浮かべるのがホームランだ。2008年、25歳で自身初の本塁打王に輝き、以降、同タイトルを6度獲得している。2011年に統一球、いわゆる"飛ばないボール"が導入された際も意に介さず、キャリア最多タイの48本塁打を放った。

 ニックネームは「おかわり君」。愛嬌たっぷりの表情も魅力で、球界を代表する人気者だ。

 だが決して多くを語らず、報道陣にとって簡単な取材対象ではない。筆者は2015年にインタビューした際のことをよく覚えている。

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