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「10分ブルペン」はナゼ。DeNA
大家友和コーチが語る練習方針の意図 (3ページ目)

  • 高橋安幸●文 text by Takahashi Yasuyuki
  • photo by Koike Yoshihiro

 ブルペンでの10分間を有意義かつ有効に使う──。そう考えていけば、必然的に、ブルペンに入る前の準備に時間をかけることが大事となりそうだ。

「もちろんそうです。準備に時間をかけてほしい。その時に選手たちは、練習をやらされているという感覚から抜け出さなければいけない。準備段階から自分で考えて行動してもらうということですね。誰かの何かを信じて練習して、結果が出るものではないので......」

 制限があるからこそ、選手自身による自主的な思考と行動につながっていく。しかも、10分という時間は基本であって、選手が希望すればさらに10分プラスして投げることができる。スケジュールや体の状態を確認したうえで認めるそうだが、ここにも制限の意図が見える。

 選手が自らコーチに希望を伝える。その際に対話が生まれることになって、自ずとコミュニケーションが密になっていく。となれば、選手が自分で考えて技術の向上を目指すのみならず、自分の考えを言語化して明確にする効果もあるはずだ。

「まず、野球の話になりますよね。投球においての話をすれば野球の話であって、選手たちに必要なのはそういうコミュニケーションだと思います。たとえば、ランニングしている選手をいじって、『しんどい?』って問いかける。これはコミュニケーションじゃないんです。

 僕もランニング中の選手に問いかけますけど、バカバカしいやり取りだとわかってやっているのであって、くだらない会話でコミュニケーションを取っているつもりにならないようにしたいとは思っています」

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