2020.01.22

オコエ瑠偉の心に響いた浅村栄斗の助言。
「もう迷わないっす!」

  • 田口元義●文 text by Taguchi Genki
  • photo by Koike Yoshihiro

 早いもので、オコエ瑠偉が楽天に入団して4年が経った。今年プロ野球では、彼と同世代の大卒選手が入団してくる。

 2015年夏の甲子園。50メートル5秒9の快足と広い守備範囲と強肩、そして勝負強い打撃で関東一高のベスト4進出の原動力となったその身体能力は、観衆をくぎ付けにした。甲子園での活躍で「将来のスター候補」と呼ばれるようになったオコエは、一躍、ドラフトの上位候補となった。

 ドラフトで楽天から1位指名を受けて入団。プロ1年目は高卒ながら開幕一軍を果たし、51試合に出場するなど、誰もがオコエの将来に大きな期待を抱いた。

レギュラー獲りを目指す楽天5年目のオコエ瑠偉 しかし、それから3年。オコエはいまだレギュラーの座をつかんでいない。試合数も毎年50試合前後で、2年目の2017年に規定打席未到達ながら打率3割を記録したが、それ以外はすべて1割台である。昨年も52試合に出場し、打率.182、3本塁打、5盗塁と振るわなかった。

 それでもオコエは下を向くことはない。「いまだに身体能力に頼っている」という批判を受けようとも、「自分、まだまだヘタクソですから。数字だけを見れば、誰だってそう思うじゃないですか」と、笑みを浮かべながら飄々と振る舞っている。

 決して自嘲しているわけでも、楽観視しているわけでもない。オコエのそれは、根拠のある笑みなのだ。

 昨年のシーズン終盤、オコエは自分の未来を見据えるように、こんな話をしてくれた。

「周りは自分のことを『何も考えていない』とか言うじゃないですか。なんでそう言われるかというと、結果を出していないからなんです。たしかに結果は出ていませんけど、自分としては悪い方法には進んでいないって思えるんです。だから、いろんなことにトライできると思っていますし。そういう意味では、今年はいい経験をしました」

 2018年までのオコエは、どちらかと言えば打撃フォームの修正や改善といったように、技術向上に重きを置いている印象があった。それが昨年は、視野を広げ、他者の意見も精力的に吸収するように努めた。