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巨人の若手5人がソフトバンクの
強さに脱帽。惨敗から何を学んだのか (3ページ目)

  • スポルティーバ●文 text by Sportiva
  • photo by Kyodo News

 今シーズン、チーム最多の67試合に登板するなど、飛躍の1年となった中川皓太は、「この舞台に立てるとは思ってもみなかった」と語った。シリーズでは2試合に登板し、第4戦では一死満塁の場面でマウンドに上がり、内川聖一を併殺打に抑えてピンチをしのいだ。

「フォアボールも出せない状況でしたし、とにかくストライクゾーンで勝負するしかなかった。とにかく自分のボールを信じて投げるしかないと思っていましたが、うまく1球で併殺打になってくれたので助かりました」

 中川にソフトバンクの印象を尋ねると、こんな答えが返ってきた。

「こっちがミスをしてしまうと、どんどん畳みかけてくるような......選手一人ひとりが状況を理解して、やるべきことをしっかりしてくるチームでした。強力打線であるのは変わりないのですが、それだけでなく小技もしっかり絡めてくる。本当に隙のないチームだなと思いましたし、それがああいう結果(4連敗)になったのだなと思います」

 今回のシリーズで中川が得たものは何だったのか。中川は大きく深呼吸して、次のように語った。

「勝ちたかったですけど、こういう負けもこれからにつながるというか......そんな簡単には勝たせてくれないと思い知らされました。今シーズン、僕を含め、若い選手が出てきたというのは来年につながると思うし、つなげていかなければいけない。そういう自覚というか、今度は若い世代の選手たちが引っ張って、チームを勝たせるようにしないといけない。シリーズの経験というのは、いい意味で自信にしたいですし、そのためにはもっと力をつけて、チームから信頼されるピッチャーになれるように頑張りたいです」

 今回の日本シリーズを見て感じたことは、原監督が積極的に若手を起用したことだ。ソフトバンクと比較すると、戦力差は歴然だった。それでも彼らを使い続けたのは、「この経験を次につなげてほしい」という指揮官からのメッセージだったような気がしてならない。今回の日本シリーズは惨敗した。だが、ここから巨人の戦いが始まったと言ってもいい。はたして来年、どんなチームをつくり上げてくるのか、今から楽しみでならない。

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