監督の積極采配+選手の躍動で好循環。
攝津正「ホークス4連勝もある」

  • スポルティーバ●文 text by Sportiva
  • photo by Kyodo News

 10月19日に始まった日本シリーズは、ソフトバンクが本拠地で連勝し、最高のスタートを切った。第3戦から場所を東京ドームに移して行なわれるが、ここまで2戦を終えて両チームの状態はどうなのか。ソフトバンクOBでもある解説者の攝津正氏にここまでの展開を分析してもらい、第3戦以降の行方を占ってもらった。

日本シリーズ第2戦で均衡を破る先制の3ランを放ちファンの声援に応える松田宣浩日本シリーズ第2戦で均衡を破る先制の3ランを放ちファンの声援に応える松田宣浩---- 日本シリーズは1、2戦を終えて、ソフトバンクが2連勝という最高のスタートを切りました。一番の要因はなんだと思いますか。

「選手一人ひとりが、自分のすべきことをきっちりやりきったことだと思います。第1戦に先発した千賀滉大はけっして調子がいいように見えなかったのですが、それでも7回1失点と試合をつくった。そして攻撃陣も少ないチャンスをものにして得点につなげていった。結果的にはソフトバンクの快勝となりましたが、巨人がチャンスで1本出ていたらまったく試合はわからなかったと思います。ただ、そうさせなかったのは、バッテリーの粘りであり、巨人打線をよく研究していたなと思います」

---- ソフトバンクバッテリーに研究の成果が見えたのは、どのような場面でしたか。

「第1戦で千賀は、巨人打線にとにかくインコースを意識させた。そして第2戦で先発した高橋礼の時は、変化球を有効に使いながらうまくタイミングを外していた。この2試合に関しては、甲斐が考えながらうまくリードしていました。押すところは徹底的に押して、引くところは変化球でかわす。投球に強弱をつけていました。なにより光ったのは、1番・亀井善行選手、2番・坂本勇人選手、3番・丸佳浩の上位打線を完璧に封じたことです。この3人に対し、2試合トータルで19打数1安打ですからね。巨人打線を抑えるには、4番を打つ岡本和真選手の前にランナーを出さないこと。それを見事に実践していました」

---- 巨人も第1戦の山口俊投手、第2戦のメルセデス投手はともにすばらしい投球でした。

「ふたりともコントロールが抜群で、投げミスはほとんどありませんでした。ソフトバンク打線といえども、打ちあぐねていましたし、簡単に点を取らせてもらえなかった。だからこそ、千賀、高橋礼は本当によく我慢しながら投げたと思います。ただ、巨人投手陣は2番手以降が少し弱いように感じました。先発がよかっただけに、顕著でした。3戦目から中継ぎをどう整備してくるのか。そこがポイントになりそうですね」

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