攝津正が占う日本シリーズ展望。リリーフの層の厚さでホークスが制する
日本プロ野球の最高峰の戦いである日本シリーズが10月19日よりヤフオクドームで開幕する。シーズン2位ながらクライマックス・シリーズ(CS)で楽天、西武を破り、3年連続して日本シリーズ進出を果たしたソフトバンク。5年ぶりにリーグ優勝を果たし、CSでも強さを見せつけた巨人。はたして、どんな戦いが繰り広げられるのだろうか。ソフトバンクOBで、日本シリーズの経験もある攝津正氏に展望を占ってもらった。
攝津氏がソフトバンクのキーマンに挙げる柳田悠岐── クライマックス・シリーズ(CS)ファイナルでは、ソフトバンクが西武に4連勝、巨人は阪神に4勝1敗(1勝のアドバンテージを含む)と、ともに危なげなく勝ち上がりました。両チームの現在のチーム状況は、攝津さんの目にどのように映っていますか。
「両チームとも投打がしっかりかみ合い、"強さ"を感じる戦いでした。ソフトバンクはリリーフ陣が好調で、先発が早めに降板してもしっかり試合を立て直すことができた。そうした粘りが、打線にもいい影響が出たと思いますね。巨人は、4番の岡本和真選手をはじめ、打つべき人がしっかり結果を残して勝った印象があります。ともに、地に足をつけた戦いができていたと思いますし、日本シリーズは拮抗した戦いになると思いますね」
── 日本シリーズではどこがポイントになってくるでしょうか。
「いかに先制するかだと思います。日本シリーズのような短期決戦は、1点の重みがシーズン中とはまったく違います。先制されたほうは焦りも出てきますし、試合の進め方も変わってきてしまう。とくにソフトバンクは先制して、そのリードをリリーフ陣が守っていく野球を得意としていますので、自分たちの形に持ち込みたいですよね。逆に巨人はその形にさせないことが大事になってくると思います」
── 攝津さんは日本シリーズを何度も経験されていますが、具体的にシーズンとの違いはどこにありますか。
「先程も言いましたが、日本シリーズは1点の重みが違います。なので、リードしていたらいいピッチャーをどんどんつぎ込みますし、逆にリードされていたら代打をはじめ、仕掛けが早くなってくる。それにひとつのプレーで大きく戦況が変わってきますし、いかに流れをつかむかが大事になってきます。シーズン中と違って、1試合に出る選手の数が圧倒的に多い。だからこそ、ベンチは選手の好不調を把握しておかなければなりません」
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