斉藤和巳がパ・リーグCSを予想。
西武に「打線は水物」は通用しない

  • 高橋博之●文 text by Takahashi Hiroyuki
  • photo by Koike Yoshihiro

 いよいよクライマックスシリーズ(CS)が始まる。パ・リーグはシーズン2位のソフトバンクと3位の楽天がCSファーストシリーズを戦い、勝ち抜いたチームが西武に挑む。昨年はシーズン2位のソフトバンクがCSファイナルでパ・リーグ覇者の西武を下し、日本シリーズでも広島を破り日本一に輝いた。はたして今年はどんな戦いが繰り広げられるのか。プロ野球解説者の斉藤和巳氏にパ・リーグCSの行方を予想してもらった。

パ・リーグの首位打者に輝いた西武・森友哉パ・リーグの首位打者に輝いた西武・森友哉 3位楽天と2位ソフトバンク。今年の対戦成績はソフトバンクの13勝12敗とほぼ互角ですが、7月以降は9勝5敗とソフトバンクが勝ち越しています。また、ソフトバンクのホームゲームでの成績は42勝27敗と圧倒的な数字を出しました。

 今年は選手のケガに悩まされたソフトバンクですが、8月下旬に柳田悠岐が復帰し主力選手が揃ってからは、得点力も上がりました。主力が不在の間に盗塁ができる周東佑京(しゅうとう・うきょう)が出てきたのも大きい。

 先発は千賀滉大と高橋礼が規程投球回数に到達し、2ケタ勝利を記録。リリーフは甲斐野央や髙橋純平が新たに加わり、実績のある森唯斗やモイネロとともにブルペンを支えました。

 楽天は浅村栄斗、ブラッシュ、ウィーラーといった主軸は破壊力がありますが、下位打線に弱さがあります。浅村が去年より確実性が劣っているのも気になるところです。

 投手は岸孝之と則本昂大がシーズン終盤に戻ってきて、ソフトバンクと相性の良い美馬学もいます。なにより今年の楽天はブルペン陣が強力で、奪三振率13.82でセーブ王の松井裕樹を中心に、森原康平やブセニッツも控えます。ソフトバンクにしてみれば、終盤での逆転は難しいでしょう。

 両チームともリリーフ陣がしっかりしているので、先発投手をいかに打ち崩せるかがシリーズのカギを握ります。

 ファーストシテージはホームの地の利もあり、ソフトバンクが有利。楽天にしてみれば常にリードを奪い、リリーフ勝負に持ち込めるかですが、CSファーストステージはホームの地の利もあり、ソフトバンクが有利だと思います。

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