2019.09.17

西武がどうしても欲しい逸材。
「即戦力投手」と「秋山翔吾の後継者」

  • 安倍昌彦●文 text by Abe Masahiko
  • photo by Ohtomo Yoshiyuki

チーム事情から見るドラフト戦略~西武編

 ドラフト会議まであと1カ月に迫った。各球団とも、ある程度来季の見通しが立ち、戦力補強のポイントも具体化される時期になった。そこで12球団それぞれの現状を鑑(かんが)み、今年のドラフト戦略を占ってみたいと思う。まずは西武から見ていきたい。

俊足好打の外野手、法政大の宇草孔貴 毎年”打高投低”が著しい西武だが、今年その傾向は顕著である。720得点、チーム打率.267はともに12球団1位。ホームランこそソフトバンクに次いでリーグ2位だが、盗塁も12球団トップの128個を記録(数字はいずれも9月16日時点)

 昨シーズン、調子が上がらなかった”おかわりくん”こと中村剛也が、打率29629本塁打、120打点と完全復活。また、山川穂高もキング独走の42本塁打を放ち、外崎修汰も24本塁打と大飛躍。さらに、森友哉もリーグトップの打率.339をマークするなど、打線の破壊力は間違いなく12球団トップである。

 その一方で、チーム防御率4.39はリーグワースト。5年目の高橋光成と新外国人のニールがともに10勝をマークしているが、昨年16勝を挙げた多和田真三郎がここまで1勝と大ブレーキ。チームとしてもなかなか乗り切れない状況が続いている。

 そう考えると、まずは投手だ。しかも、1年目からローテーション入りして、確実に勝ち星を稼げる投手がほしい。奥川恭伸(星稜)や佐々木朗希(大船渡)といった将来の大エース候補も魅力だが、今年の西武は1にも2にも即戦力だ。

 そこで名前が挙がるのが、森下暢仁(まさと/明治大)だ。おそらく指名は重複するだろうが、ここは思い切って勝負にいくべきである。

 ただ、問題は森下をクジで外した時だ。今の西武に本当に必要なのは、1年目から勝てる投手である。今年のドラフト候補の顔ぶれを見ると、先発として1年目から計算できる投手は、森下以外に浮かばない。ならばその場合、野手に切り替えるのもひとつの手だ。

 冷静に考えると、今は頑張っているが、中村、栗山巧は2001年ドラフト組の同期生で、ともに来年37歳になる。近年はトレーニングの進歩もあって、確実に選手寿命は延びているが、彼らの”後釜”は確実につくっておかなければならない。