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DeNA大和の光るベテラン力。
目指す頂へ「あの悔しさを晴らしたい」 (3ページ目)

  • 石塚隆●文 text by Ishizuka Takashi
  • photo by Kyodo News

 とくに2014年は、リーグ2位でCSに挑み、広島、巨人を相手に無敗で日本シリーズに進出。ソフトバンクとの日本シリーズでは初戦こそ勝利したものの、2戦目からまさかの4連敗を喫し、日本一を逃した。大和は外野守備で好プレーを連発したが、打つ方では16打数1安打と結果を残せなかった。

「負けなしで日本シリーズにいって、ひとつ落としたら(負けたら)ガタガタとなってしまった。僕自身も打てなかったですし、あの悔しさは今も残っています」

 大和が移籍してくる前年の2017年、筒香嘉智を筆頭にDeNAの若い選手たちも同じような経験をしている。リーグ3位からCSを勝ち上がり日本シリーズに進出するも、ソフトバンクの前に善戦むなしく敗れ去った。つまり大和は、現チームメイトと同じマインドを有しているといっていいだろう。日本一になれなかった悔しさが、心の奥底から消えることなく滞留している。

「野球をやっていると、うれしいことよりも悔しいことの方が多いんです。だから努力をするし、結果が出た時の喜びは大きい。ベイスターズの選手は、2年前の日本シリーズを経験しているメンバーがほとんど。そういう意味では、悔しい気持ちを晴らしたいと思っている選手は多いと思います。もちろん、僕も同様に」

 そして一呼吸置くと、表情に力がこもった。

「最終的にどう終えるのかを考えて、このチームの勝利に少しでも貢献したい。そのためだったら何でもやりますよ」

 デッドボールを受けて心配されたが、大和は治療を終え現れると、右足を引きずりながらも「大丈夫です」と気丈に語った。

 DeNAに来てよかったと語る大和の頂点を目指す戦いは、まだ終わらない。

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