阪神メッセのNPB人生に反骨心あり。助っ人史上最強投手への挑戦は続く (2ページ目)

  • ブラッド・レフトン●文 text by Brad Lefton
  • photo by Kyodo News

 枠の制限がある日本では、外国人選手は厳しい競争を強いられる。そんな競争に勝ち抜き、同じ球団で10年もプレーしているというのは、それだけでも高く評価すべきことである。

 これまで郭泰源(西武)やタフィ・ローズ(近鉄)など、日本人扱いになった選手はメッセで9人目だが、同じ球団で資格を得たのは、郭泰源、2000年から12シーズンプレーした西武の許銘傑(最後の2シーズンはオリックスでプレー)とメッセの3人だけである。

 トレードと戦力外が激しいメジャーでも、同じチームで10年以上プレーすることは稀であり、とくに投手は少ない。

 現役メジャーリーガーのなかで10年以上同じチームでプレーしている投手は、フェリックス・へルナンデス(マリナーズ/2005年~)、アダム・ウェインライト(カージナルス/2006年~)、クレイトン・カーショー(ドジャース/2008年~)、マディソン・バムガーナー(ジャイアンツ/2009年~)、ケンリー・ジャンセン(ドジャース/2010年~)の5人しかいない。

 だからこそ、阪神というチームだけでこれほど長くプレーできたことに、メッセは誇りを持っている。

「日本に来た時、『阪神で10年プレーできると思うか』と聞かれたら、『絶対にない』と答えていたと思います。だって、私と入れ替わるようにジェフ・ウィリアムスが去りましたが、彼は7年間ずっと阪神でプレーしていたでしょ。それを聞いて、本当にすごいと思ったんです。来日当初はまず7年を目標にして、それが達成できたので10年にしました。この数字はホント簡単ではありませんでした。よく『外国人だから......』と思われることがあるのですが、常に上を目指して一生懸命やらないと絶対に達成できないと思います」

 日本に来る際、「あっち(日本)に行く理由は何なのか?」「日本では生き残れない」など、否定的な声が多かった。それでもメッセは「アスリートである以上、そうした意見があるのは仕方ない」と考えていた。だが日本に来て、しかも同じユニフォームを着た人間に否定されるとは思っていなかった。

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