待っていた巨人ドラ1男の奮起。桜井俊貴は原監督の言葉でギアUPした (3ページ目)

  • 寺崎江月●取材・文 text by Terasaki Egetsu
  • photo by Kyodo News

──桜井選手も、カーブが大きな武器になっていると思いますが。

「そうですね。これまでもカーブは自分の投球の軸になっていたのですが、今年はスローカーブではなく、(球速が速く鋭く曲がる)パワーカーブを投げるようになりました。真っ直ぐと同じ腕の振りで投げることを大事にしています。ストレートに関しては、空振りを取れるようにさらに球威を上げたいです。今年は"攻める気持ち"を大切にしているので、インコースの割合も増えていると思います」

──"攻める気持ち"が強くなったことは、首脳陣からのアドバイスなどがあってのことですか?

「それはシーズン前に自分で立てた目標なんですが、『もっとやらないと』と気づかされたことがありました。7月15日の長野で行なわれたヤクルト戦で先発し、連続四球などがあって4回途中4失点で降板したんですが、その直後に初めて原(辰徳)監督にベンチ裏に呼び出されたんです。

 あまり長い時間話をしたわけではなく、シンプルに『攻めの気持ちが足りない』と言われました。自分ではその気持ちで投げていたつもりでしたが、まだまだ足りないことを痛感しましたね。そこから、第三者の目から見ても、投球する姿や内容から気持ちが伝わるくらいのピッチングをしようと、さらにギアを上げることができたように思います。のちのちに振り返った時に、その日が僕の投手としての大きな分岐点になるかもしれませんね」

──シーズンは終盤に入り、優勝に向けてさらに厳しい戦いが続きますが、意気込みを。

「もう試合数が少なくなっていますが、個人としては2ケタ勝利を達成できるように頑張りたいです。そうして勝ち星を手にすることで、チームのリーグ優勝に貢献できたらと思っています」

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