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待っていた巨人ドラ1男の奮起。
桜井俊貴は原監督の言葉でギアUPした

  • 寺崎江月●取材・文 text by Terasaki Egetsu
  • photo by Kyodo News

 2019年のシーズンも佳境に入り、連日の熱戦が繰り広げられているプロ野球。セ・リーグは5年ぶりのV奪還を目指す巨人が、広島、DeNAの追撃を受けながらも首位をキープしている。

 今シーズンの巨人は、エースの菅野智之が不調。勝ち頭だった山口俊も後半戦に入って一時離脱するなど、決して先発陣が盤石とは言えなかった。そこで存在感を発揮しているのが、入団4年目の桜井俊貴だ。

 2015年のドラフト1位で巨人に指名された桜井は、本格的に先発に転向した今シーズンに勝利を積み重ね、ここまで7勝(3敗)と、首脳陣の期待に応えている。2017年まではリリーフでの登板が多く、昨年は1軍登板がなかった桜井は何が変わったのか。本人にその経緯を聞いた。

先発に転向し、7勝を挙げている巨人の桜井先発に転向し、7勝を挙げている巨人の桜井──2017年にはリリーフとして19登板しましたが、今シーズンは先発投手として5月に初勝利を挙げ、8月24日時点で7勝(3敗)を挙げています。先発になったことで心境に変化はありましたか?

「特別な意識をしたことはないですね。初回から球数を気にすることなく飛ばしていくことだけを考えています。ただ、2軍でプレーしていた昨年と比べて試合環境の違いは実感しています。昨年の夏は本当に暑くて、屋外での日中の試合は体感温度が40度を超えていたこともあったそうです。あらためて、東京ドームの快適さを実感しています(笑)」

──本格的に先発に転向したのは、2軍で投げていた昨年のことだと思いますが、その経緯を教えていただけますか?

「先発を任されるようになったのは(昨年の)5月くらいからですかね。当時は1軍昇格よりも、先発ピッチャーとして試合を作ることを第一に考えていました。今シーズンも1軍でしばらくはリリーフで投げていましたが、5月31日の中日戦で登板したあと、ベンチ裏に行こうとした時に宮本(和知/投手総合)コーチから声をかけられて。真っ直ぐの球速が出ていて、変化球の球種が多いということから、『先発でいこうか』と言われました」

──調整の方法も変わったんじゃないでしょうか。

「これは昨年に確立したルーティンですが、登板日の後は2日間ほどしっかり休み、それからキャッチボールを始めて前日に遠投で最終調整します。あとは、試合当日の2時間前くらいにコーヒーに豆乳を入れて心を落ち着かせます。眠気防止も含めて(笑)」

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