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7番降格、何かが起きてる山川穂高。
本塁打&打点トップも不調が続く (3ページ目)

  • 中島大輔●取材・文 text by Nakajima Daisuke
  • photo by Jiji Photo

 どん底にいるわけではない。復調に至る分岐点は、少なからずある。たとえば、8月15日のオリックス戦では際どいコースのボールに対し、いい見逃し方ができていた。

「ボールの見え方はいいですよ。なんでもかんでも打ちにいっているわけではないので。見え方はいいんですけど、甘い球を仕留められない」

 同日の第4打席では吉田一将に対し、4球目は真ん中高めの148kmストレートを空振り、5球目はど真ん中の145kmストレートをファウルにした。好調時の山川なら、スタンドに運べるような球だった。

 ボールは見えているものの、思うように捉えることができない。その"誤差"は、山川にとって決して大きなものではない。

 ただし、18.44メートル向こうから相手投手が投じるストレートは、0.5秒以内に打者まで到達する。山川は基本的に全球ホームランを打ちにいっており、"誤差"をアジャストできなければ、狙って本塁打にすることはできない。

 こうした微差こそ野球の奥深さであり、同時に難しさでもある。8月15日のオリックス戦後、山川はこう話した。

「今日は見え方がめちゃめちゃよかった。振る感じもよかった。捉えたけど、打球が全部正面にいった。そういう日も多いんですよ。

 言ったら僕は、プロで6年間やってきて、完全に上(一軍)で全部出ているのは2年目なので、本当に難しさを痛感させられている。秋山(翔吾)さんであったり、浅村(栄斗/楽天)さんであったり、中村(剛也)さんのすごさを改めて感じます。去年と同じ感覚ではできない年だなって思うので、苦しいですよね。実際、こういう日が続くと......」

 西武が誇る「山賊打線」のドンは、秋山でも森友哉でもなく、山川だ。その打棒で誰よりチームを勢い付ける山川に対し、相手バッテリーの攻めは当然厳しくなる。3番・浅村が抜けた今季、山川は多くを背負ってきた。

 一流と言われる選手たちは、等しくそうした壁を乗り越えて特別な領域に到達している。そのひとりが、今季通算400本塁打を達成した中村だ。ずっと西武の4番を張ってきた男に、山川の姿はどう見えているのだろうか。

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