今季中のNPB復帰は消滅も、西岡剛「野球を続けることに変わりはない」 (5ページ目)
── とくに阪神は、報道陣が多かったですからね。
「独立リーグは、ファンも毎回何万人というわけではないし、チラホラしかいないし、記者なんかめったに来てくれない。そういう意味では、『あの時って、すごい感謝せなアカンことやってんな』と思ったりします。人って、離れて気づくことが多いんですよね。とくに僕は、そのへんが賢くなかったと思うんで。やりながら気づく人はたくさんいると思うんですよ。でも、僕はそこに気づけなかった。野球さえできたらいいやという感覚だったので。
でも、いろんな経験をして気づけたから、身近なプロ野球選手には伝えるようにしています。中田翔(日本ハム)とか、まだピンと来ないと思うんですよ。もちろん、わからなくていい。わかり過ぎても伸びしろがなくなってしまうんで。だから、頭ごなしに言うつもりはないですけど、僕が経験したことを伝えておくのは、アイツらにとってはちょっとした"保険"にもなると思うので。そういうことも伝えたいなと思いますね」
── ユニフォームを脱ぐつもりはないということですが、ファンは安心していいですか?
「僕にどれだけのファンがいてくれるのか、わからないですけど(笑)」
── 滋賀・甲賀の試合(8月7日、対オセアン滋賀ユナイテッドBC)にはロッテや阪神のレプリカユニフォームを着たファンがたくさんおられました。
「ありがたいですよね。だから、続けます」
── 野球、楽しく感じられていますか。
「楽しいですよ。そりゃあ、しんどいこともたくさんあります。でも、しんどい以上に、この独立リーグに入って、自分自身が乾いたスポンジみたいになっているんですよね。いろんなことを吸収できている。人それぞれ考え方が違うじゃないですか。取り組み方も違う。それが、すごい勉強になっています。逆に、僕の意見を若い子に伝えても、10のうち10をやる必要はなくて、そのなかの1でも0.5でも意識改革があれば、彼らにとってプラスじゃないですか。そういう感じですよね」
── たとえば来年、指導者として残ってくれと言われたらどうされますか。
「残らないです」
── 自分で納得いくまでプレーを続ける?
「はい。野球が好きなんで」
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