2019.03.02

「なんじゃこりゃ!」とキャンプで驚き。
2球団で見つけた4人の逸材

  • 安倍昌彦●文 text by Abe Masahiko
  • 小池義弘●写真 photo by Koike Yoshihiro

 プロ野球のキャンプも終わり、本格的にオープン戦が始まる。今年は宮崎でキャンプをする西武、ソフトバンク、オリックス、広島の4球団を回った。新聞などではあまり伝えられない選手でも「おおっ!」と目を奪われるようなプレーを見せる若手が何人かいた。

 まず、ブルペンで心踊ったのがソフトバンクとオリックス。ソフトバンクは”未知の魅力”を秘めた大型投手たちだ。

昨年のドラフトでオリックスから6位指名を受けて入団した左澤優 室内の一軍ブルペンとちょうど背中合わせの場所に、ファームの若手投手たちが投げる屋外ブルペンがある。室内の一軍ブルペンは、エースの千賀滉大をはじめ、武田翔太、東浜巨、和田毅、田中正義、高橋礼など、ずらりと並ぶ姿は壮観だが、ファームのブルペンだって負けていない。

 身長190センチ級の大型投手が入れ替わり立ち替わりやって来ては、まだ粗削りながら渾身の力でミット目がけて強いボールを叩きつける。

 なかでも、ひと際雄大な体躯からダイナミックなフォームで投げ下ろしている投手がいた。彼の名は中村晨(しん)。熊本・ルーテル学院から育成で入団して4年目で、身長193センチ、体重85キロの大型右腕だ。ただ背が高いだけじゃない。前から見た時にすごく大きく見えるのは、骨格が大きいからだろう。いわゆる、体が大きくなるタイプだ。

 も長いが腕も長い。その長い手を使って投げるから、とにかく見栄えする。しかも、全身の使い方がバラバラではなく、フィニッシュの瞬間に体を小さくまとめられるのは、体重移動がしっかりできていて、ボディバランスがいい証拠である。

 左手のグラブを頭の高さに掲げても、上体がうしろに傾かないから、打者からすれば2メートル近い巨体が一気に覆いかぶさってくるようで、思わずひるんでしまうかもしれない。

 豪快に投げ下ろす長身オーバーハンドにありがちなボールのバラつきも、ブルペンで見る限り心配なさそうだ。なにより本人が気分よさそうに全力投球できているのが好材料だ。全身のタイミングがピシャっと合った時の低めのストレートは、思わず「なんじゃこりゃ!」と驚きが口を突いてしまう。昨年は三軍のエース格として10勝7敗、防御率3.16。二軍でも5イニングを投げて6三振を奪っている。