2019.02.24

ヤクルト石川、寺原、近藤が運命的邂逅。
01年ドラフト、驚きの秘話

  • 島村誠也●文 text by Shimamura Seiya
  • photo by Sportiva

石川雅規×寺原隼人×近藤一樹 緊急鼎談(前編)

 ヤクルトの春季キャンプ(沖縄・浦添市)のメンバー表を眺めていると、寺原隼人の入団でプロ18年目の選手が3人もいることに気づいた。生え抜きの石川雅規、2016年のシーズン途中にオリックスからトレードで移籍してきた近藤一樹。プロ野球という生存競争の厳しい世界で18年も生き抜いてきた彼らのそれぞれの”現在”を取材すると面白いのではないか……。そんなことをぼんやりと考えたのが始まりだった。

「石川さんとテラ(寺原)とは、もう3人で一緒に食事しましたよ」

 そう言って近藤は笑ったが、次の瞬間、思いもよらない言葉が返ってきた。

「記事になれば1回では収まらないですよ。僕たち3人には知られざる裏話というか、エピソードがありますから。それはドラフト前から始まり、テラがいるから石川さんがいて、石川さんがいるから僕がいる。そこには各球団の駆け引きがあったんです。いま、あそこで石川さんが話をしているのは、近鉄のスカウトだった方で、だからあいさつをしているんです。石川さんも面白い話をしてくれると思いますよ」

今季プロ18年目を迎えた(写真左から)寺原隼人、石川雅規、近藤一樹 後日、石川にそのことで取材のお願いをしに行くと、こんな答えが返ってきた。

「それはいいですね。僕もコンちゃん(近藤)にその話を聞いた時は、『へぇー、そんな経緯があったんだ』と思いましたから。このあと練習試合があって、僕は見学なので、話はその時にしましょうか」

 ここで3人の簡単な入団までの経緯を説明しておくと、2001年のドラフトで石川は青山学院大から自由枠でヤクルト入りし、日南学園のエースだった寺原は4球団(ダイエー、巨人、中日、横浜)から1位指名を受けて、ダイエー(現・ソフトバンク)が交渉権を獲得。そしてこの年、夏の甲子園優勝投手となった日大三の近藤は、近鉄から7位指名を受けてプロ入りを果たした。

 練習試合中、投手陣が見学するライトポールそばの内野席に行くと、石川の横には寺原が座っていた。さらに石川は、近藤も呼んでいてくれた。もともとは個別で話を聞こうと思っていたのだが、石川の仕切りで思いもよらぬ”鼎談”が実現したのだった。