2018.11.19

オリックスの主砲・吉田正尚は
フルスイングについての誤解を解きたい

  • 寺崎江月●取材・文 text by Terasaki Egetsu
  • photo by Kyodo News

「パ・リーグの小柄なホームランバッター」として往年の野球ファンが思い出すのは、かつて南海ホークスやオリックスなどで活躍した門田博光だろう。身長170センチの体で球界3位となる通算567本ものアーチを描き、40歳で3回目の本塁打王、2回目の打点王と2冠を達成した「不惑の大砲」だ。

 その門田の再来と言われ、2015年のドラフト指名1位でオリックスに入団したのが、身長173センチの吉田正尚だった。1年目からケガに悩まされて期待どおりの活躍ができずにいたが、今シーズンは143試合にフル出場。6月からは四番に定着して打率.321、26本塁打、86打点というキャリアハイの成績を残した。

 大きな成長を遂げた左の大砲に、今シーズンの自身の変化、代名詞となっている”フルスイング”などについて聞いた。

オリックスの主砲として活躍する吉田──シーズンを終えて、手応えはいかがですか?

「最低限の目標だった『規定打席の到達』をクリアして143試合にフル出場できたことは、よかった、というよりもホッとしています」

──昨シーズンまではケガに苦しんできましたが、何か変化があったのでしょうか。

「調整法ですかね。ホーム球場ではウェイトトレーニングなどを行なって、ビジターで試合があるときは休養とケアに専念し、ゲームに集中するというスタイルにしたんです。今思えば、以前は”なんとなく”で調整していました。今年から自分でルール作りをしたことが結果につながったんだと思います」

──そのルールのほかに、シーズンを通して好調を維持できた理由はありますか?

「藤井(康雄)打撃コーチ(現二軍打撃コーチ)との出会いは大きかったです。同じ左の長距離打者でしたから気持ちの面でもいろいろ相談できましたし、藤井コーチ自身が勉強されている”4スタンス理論(※)”も学ぶことができました。体の仕組みの解説は新鮮でしたね」
(※)人間の身体特性には4つのタイプがあるという理論。自分のタイプに合った体の動かし方をすることで、パフォーマンスの効率が上がり、ケガのリスクを低減させることにもつながるとされている

──食事面で注意していることは?

「好きな食べ物は、プロ野球選手の王道である焼肉です。ニンニクが好きなのでパンチの効いたラーメンもいいですね。でも、シーズン中に太ってしまうといけないので、筋肉は落とさずに体重を維持するよう気をつけています。とくにオフシーズンは生活リズムが変わりますし、寮生活ではないですから、自分で栄養のバランスを考えています」