育成選手から「カープの救世主」へ。快速サウスポー・フランスアの素顔
現在、セ・リーグの首位を独走する広島カープだが、シーズン前半戦のチーム状況は"磐石"とは言いがたかった。とくにリリーフ陣は、昨年まで勝ちパターンで登板していた今村猛、ジェイ・ジャクソンが不調に苦しみ、戦線を離脱。「逆転のカープ」の基盤が揺らいだように見えた。
そんなチームを救ったのが、24歳のドミニカ人左腕、ヘロニモ・フランスアだ。2014年にカープアカデミーに入団したフランスアは、四国アイランドリーグを経て今年3月にカープと育成契約を結ぶ。その後も2軍で結果を残し、5月には支配下選手として1軍昇格を果たした。
先発した2試合は苦しんだが、リリーフに配置転換されると本領を発揮。身長186センチの長身から投げ込む150キロ超のストレートを武器に安定した投球を続け、今では勝利の方程式の一角を担っている。
今回、そんなフランスアに単独インタビューを実施した。カープファンにはお馴染みとなったヘンディ・クレート球団通訳を通して、いまだベールに包まれている"鯉の救世主"の素顔に迫った。
最速157キロのストレートで打者を圧倒するフランスア──フランスア選手は子どものころからピッチャーだったんですか?
「違います。外野を守る野手で、ホームランバッターでした。本格的にピッチャーになったのは、14歳か15歳ぐらいのときだったと思います」
──日本で一番苦労したことは?
「食事です。食べ物ではなく、味の加減に困りました。ドミニカでは料理に塩や砂糖をたくさん入れます。でも、ニッポンは薄い味。戸惑いました」
──そんななかで、よく食べるのは?
「大好きなのはタコライスです。パワーの源になります!」
──はじめて覚えた日本語はなんですか?
「基本のあいさつ、『おはようございます』ですね」
──カープのOBでもある久本祐一さん(現・中日ドラゴンズ打撃投手)は、4年前に来日したばかりのときと比べて「顔つきが違う。ずいぶん大人になりました」と言っていました。
「久本さん、お久しぶりです。正解です(笑)」
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