松坂大輔「去年の10月、ある施設で先生が肩をはめてくれたんです」

  • 石田雄太●文 text by Ishida Yuta
  • 小池義弘●写真 photo by Koike Yoshihiro

松坂大輔インタビュー

 今シーズンから新たに中日ドラゴンズのユニフォームに袖を通すこととなった松坂大輔。沖縄・北谷(ちゃたん)で行なわれた春季キャンプでは、連日多くのファンが押し寄せるなど、相変わらずの人気の高さを見せつけた。不安視されていた右肩の状態もよく、完全復活への期待も高まりつつある。いま松坂大輔は何を思うのか。本人を直撃した。

長らくケガに苦しんだが、今季から中日で再起をかける松坂大輔長らくケガに苦しんだが、今季から中日で再起をかける松坂大輔── 中日の松坂大輔、ドラゴンズブルーの帽子、馴染んできましたか。

松坂 どうなんですかね。青という色が自分に合いやすかったのかな。周りの人にも「違和感ない」って言われます。番号以外ですけど(笑)。

── 背番号99ですか。

松坂 99にはまだ馴染めないですね。ただ僕自身、ライオンズからレッドソックス、インディアン、メッツ、ホークス、ドラゴンズ......新しいチームに行くこと自体はもう慣れっこですから、また新しい友達が増えるなって感じで、楽しみしかありませんでした。

── すごくリラックスしていて、やけに楽しそうに見えます。

松坂 何なんですかね。やたらと今年、そう言われるんですよ。別にドラゴンズに来て特別、明るく振る舞っているつもりもないですし、僕は今まで通りで、ホークスにいたときも変わらず笑っていたと思うんですけどね。ただ、いま思えば、身体に対する不安の大きさは違っているかもしれません。もちろん、今もゼロではありませんけど、ホークスのときの方がそこは大きかったのかもしれません。

── これまでナゴヤドームやナゴヤ球場で松坂投手が登板した試合を何度か観てきましたが、自分も含めた名古屋出身の野球好きというのは、敵のスーパースターに強烈なヤジを飛ばしながら、金網にへばりついて必死で写真を撮っている、というミーハーなところがあるような気がします(笑)。そんな名古屋という街、名古屋の人にはどんな印象を持っていますか。

松坂 僕はナゴヤドームにはしばらく行ってなかったので、オープン戦の登板が久しぶりでしたけど、そういう名古屋のファン気質はファームのナゴヤ球場に行ったときのほうが感じられるかもしれませんね。僕は、そういう、厳しいヤジを飛ばすファンの人も含めて(笑)、名古屋の人たちは野球に対してけっこう熱いというイメージを持ってます。ホークスのとき、ナゴヤ球場で投げたウエスタンの試合で思いました。ヤジは痛烈ですけど、やたらと野球に詳しいし、ドラゴンズの選手にもメチャクチャ詳しい(笑)。

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