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ロッテのドラ2・藤岡裕大に漂う
「新人王野手」京田、源田と同じ匂い  (2ページ目)

  • 安倍昌彦●文 text by Abe Masahiko
  • photo by Kyodo News

 もちろん、ふたりの実力あってこその新人王だったが、そこには彼らを起用し続けたチーム事情も大きく影響していのは間違いない。

 そして今シーズン、昨年の京田や源田のように、チームの"隙間"にスッポリはまりそうなルーキーがいる。ロッテがドラフト2位で指名した藤岡裕大だ。社会人の名門・トヨタ自動車で2年間腕を磨き、満を持しての入団となった。

 その2年前のドラフト。当時、亜細亜大4年の藤岡は強肩、強打、快の内野手として指名候補に挙がっていた。しかも東都大学リーグで6連覇を達成した時代の、いわば黄金期の中心選手として、単なるドラフト候補どころか上位指名もあるのではないかと注目を集めていた。

 しかし、結果はまさかの"指名漏れ"。そのときの悔しさがトヨタ自動車での2年間を実り多きものにしてくれたと、本人も認めている

 トヨタ自動車での1年目、藤岡に与えられたポジションはライトだった。なぜなら、ショートには源田がいたからだ。だが、そのライトの守備が凄かった。俊敏な動きで難しい打球に追いつき、"超"がつくほどの鉄砲肩で何度も走者の進塁を阻止。これまで何年も外野を守っていたかのような熟練したうまさがあった。

 そして昨シーズン、今度は源田の抜けたショートに回るとここでもスーパープレーを連発した。鋭い野球勘とめったにエラーをしない精度の高いプレーを持ち味とするのが源田なら、飛んできた難しい打球に追いつく瞬発力とパワフルなスローイングで打者走者をアウトにしてしまうのが藤岡だ。

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