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五十嵐亮太が「53」に秘める思い。
「俺はゴミじゃない」からの20年 (4ページ目)

  • 山岡則夫●文 text by Yamaoka Norio
  • 小池義弘●写真 photo by Koike Yoshihiro

 そして、こう続けた。

「ヤクルト時代に"11"にしないかって言われたことがあったけど、断りました。当時、荒木大輔さんが引退されて、ヤクルトの"11"はエースナンバーで、伝説的な番号だった。すごく迷いました。でも、"53=五十嵐"にしたい気持ちが勝った。メジャーで"18"のときは、着け心地が悪くて。だからホークスでは迷うことなく"53"にしました」

 ニューヨーク・メッツ時代、ダグアウトで雑談している際、五十嵐がボソッと口にした言葉が忘れられない。

「博多好きなんですよ。いいところだし、食事もおいしいし。久しぶりに行きたいなぁ」

 憧れだったメジャー挑戦。しかし思うような結果が残せず、もがいている時期だった。この数年後、本当に博多のチームに入団するとは、想像もしなかっただろう。

 20年におよぶプロ野球人生。東京、ニューヨーク、ラスベガス......そして福岡。巡り巡ってたどり着いた福岡の地。これは"偶然"ではなく、"運命"だったのかもしれない。大好きな福岡の地で、五十嵐は現役生活をまっとうするつもりだ。

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