2017.11.29

侍ジャパンで打率6割。西川龍馬に
カープ首脳陣が浴びせる期待と注文

  • 山岡則夫●文 text by Yamaoka Norio
  • photo by AFP/AFLO

「ずいぶん頑張っているみたいだね。若手主体といっても国際試合。そこで結果を出すのはたいしたものだよ」

 カープの秋季キャンプが行なわれていた宮崎県日南市にある天福球場。室内での練習が始まっても、緒方孝市監督はひとりメイン球場の関係者室にいた。コーヒーを片手に、雨が強く降りしきるグラウンドを見つめていた。「なぜ勝てなかったのか……」。そう自問自答しているように感じたのは気のせいか。しかし、”あの男”の話になると、晴れ晴れとした表情になったように見えた。

 あの男とは、侍ジャパンの一員としてアジアプロ野球チャンピオンシップを戦っていた西川龍馬のことだ。

「打撃センスは間違いなく素晴らしいものを持っている。あと少し、ひと皮むければ……。いろいろな選手と接して、きっかけをつかんでほしいね。カープに欠かせない戦力になれるはずだから」(緒方監督)

アジアプロ野球チャンピオンシップ決勝の韓国戦ではホームランを放った西川龍馬 社会人の王子から入団した2年目の23歳は、今季4番を任された鈴木誠也とともにカープ期待の星である。今シーズンは、スタメン出場こそ多くなかったが、95試合に出場し、驚異的な勝負強さを発揮。チームの2年連続リーグ制覇に貢献した。西川は今シーズンをこう振り返った。

「体ができてきたことが大きいと思う。プロ仕様の体というんですかね。夏場も体重は落ちなかったし、スイングも、速さもパワーも落ちなかった。それが多少なりとも結果につながったのだと思います」

 入団以来、期待をかけ続けている高信二ヘッドコーチは、西川について次のように語る。

「これから必要になってくるのは体の大きさであり、厚みです。よく言われる技術的な部分は持って生まれた天性のものがあるし、順調に成長している。あとはそれを生かす体が必要になる。それがあれば、年間を通じて結果を残せると思います」