「ムラタはどうしてる?」
イタリアで遭遇した、元横浜の助っ人も心配 (4ページ目)
彼が日本でプレーするきっかけとなったのが、2013年に開催されたWBC(ワールド・ベースボール・クラシック)だ。この大会でオランダは初のベスト4に進出するなど、台風の目となったが、「オランダ強し」を印象づけたのが東京ドームで行なわれたキューバ戦の連勝だった。
ファンミルは2試合ともマウンドに上り、粗削りながら力強いストレートでキューバ打線を圧倒していた。そのときの話をすると、ファンミルは日本語で「ハヤイネ」と笑顔で返してきた。2014年に楽天で1年間だけプレーしたルーク・ファンミル それにしても、サッカー大国のオランダにあって、どうして彼は野球を選んだのだろう。きっかけは、小学校の体育の授業だった。
「本格的なものではなかったけど、野球のようなゲームをしたんだ」
オランダの体育授業は、人気スポーツだけでなく、様々な種目が行なわれ、ファンミル曰く「柔道もやったことがある」という。
ここで野球と出会ったファンミルは、地元のクラブチームに入ってプレーすることになる。オランダでは"部活"というものがなく、競技をしたい者は、クラブチームに入るのが通例となっている。なかには名門クラブが運営する本格的なアカデミーもあるが、ファンミルは卒業するまで、試合は週末、練習はウィークデーの2日間だけという「普通の高校生」として野球を楽しんでいた。
日本で開催される"甲子園大会"に話を向けると、ファンミルは笑いながらこう言った。
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