日本球団の獲得なるか。2年連続4割バッター「台湾の大王」がご降臨

  • 木村公一●文 text by Kimura Koichi
  • photo by Kyodo News

「今大会は正直言って、彼の活躍はあまり期待できないかもしれませんね」

 ある台湾プロ野球関係者はそう漏らした。関係者の言う"今大会"とは11月16日に開催される『アジアプロ野球チャンピオンシップ』のことで、"彼"とは台湾代表の主砲である王柏融(ワン・ボーロン)である。

今年2月、侍ジャパンの壮行試合で則本昂大から本塁打を放った王柏融今年2月、侍ジャパンの壮行試合で則本昂大から本塁打を放った王柏融 王柏融は昨季、台湾プロ野球ラミゴ・モンキーズで打率.414をマークし、日本球界からも注目される存在となった。今年2月、WBC(ワールド・ベースボール・クラシック)に挑む侍ジャパンの壮行試合に台湾プロ連合チームの主砲として出場し、則本昂大(楽天)から豪快な一発。「台湾に大王あり」()を印象づけた。
※大王とは王柏融の台湾でのニックネーム

 そして今季、打率.407の成績を残し、2年連続となる4割超えを果たした。もちろん、台湾プロ野球界で初の出来事だ。

 ちなみに王柏融の今季の成績は、115試合(台湾は120試合制)に出場して、178安打、31本塁打、101打点。打率を含めすべてトップの数字で、そのほかにもベストナインなどを含めて7つのタイトルを獲得している。

「昨シーズンは200安打。今年は少し落として178安打でした。しかし、内容はまったく遜色がありません」(前出・台湾プロ野球関係者)

 というのも、今季の王柏融はシーズン中でも試合中にバットの出し方など、いろいろ試しながら臨んでいたというのだ。

「試合前のフリー打撃ではなく、試合中、打席の中でバットの出し方のタイミングを変えるなど、試しているんです。もし数字だけを狙えば、去年の成績をはるかに超えたかもしれません」(同関係者)

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