栗山監督が描く大谷翔平のメジャー。
「DHがなくても二刀流はできる」

  • 石田雄太●文 text by Ishida Yuta
  • photo by Kyodo News

 11月11日、日本ハムファイターズ大谷翔平がポスティングでのメジャー挑戦を表明した。日本ハムでの5年間、 "二刀流"という前例のない壮大なプランに挑み続けてきた大谷。その挑戦をあと押しし、誰よりも近くで見守ってきたのが栗山英樹監督だ。今回のメジャー挑戦で栗山監督は何を思ったのか? 大谷と過ごした5年間を振り返り、メジャーでの可能性について語ってもらった。

11月11日、今オフでのメジャー挑戦を表明した日本ハムの大谷翔平11月11日、今オフでのメジャー挑戦を表明した日本ハムの大谷翔平―― 監督はこの5年間、大谷選手に対して何を残してあげられたと思っていますか。

栗山英樹監督(以下、栗山) 何も残してあげられなかった......残してあげられたものは何かと聞かれたら、そういう答えになっちゃうね。

―― でも、今シーズンをリハビリだけの年に終わらせなかったのは、監督が今年中の復帰にこだわったからでした。

栗山 ああいう風にいろんなもののスケールが大きい選手がケガをすると、復帰するのにこれだけの時間がかかっちゃうんだよ、ということを感じてもらいたかったからね。自分の体と相談しながら、「こういうときは無理だな」「こういうときは行けるんだな」ということを翔平自身がわかり始めた感じはあったと思う。来年からチームを離れることになれば、全部を自分で決めなければならなくなる。それはいちばん難しい作業だし、そのときに備えて、少しでも判断できる材料、考え方という引き出しを作ってあげなきゃ、作ってあげなきゃとすごく思っていて......でもそれって、ここまで5年間やってきても、最後の最後までこっちにとっても難しいことだったんだけどね。

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