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時空を超えて現れた「昭和のスラッガー」
DeNA宮﨑敏郎の正体 (3ページ目)

  • 山口愛愛●文 text by Yamaguchi Aiai
  • photo by Jiji photo

 現在の宮﨑の打率は.333(以下、記録は6月25日現在)。カウント別の打率に注目してみると、1-2からは.304、2-2からは.433を残している。チームメイトのクリーンナップと比べると、筒香は2-1からは.538と高い数字を残しているが、1-2では.207、2-2では.156まで下がる。打率.322と好調を維持しているロペスも1-2では.108、2-2で.242とツーストライクからの打率は下がる。この数字からも、宮﨑の場合は追い込まれても持ち前のバットコントロールで厳しい球をカットして粘り、好球必打で安打を重ねていることがわかる。 

 小川コーチは宮﨑のバッティング技術と並んで、その姿勢も高く評価している。「宮﨑はバットを長く持って打席の中でしっかり振っているけど、追い込まれたときやランナーの状況に応じてちょっと短く持ったりするなど、しっかり自分で状況判断してやっているのがすばらしい」。得点圏打率は.351と勝負強さもある。

 今シーズン、塁上にランナーがいて、最悪でも右打ちをして進塁打にしてほしいという場面で、きっちりと右方向にタイムリーを放つシーンが多く見られる。宮﨑の安打のうち約7割がセンターから右方向だ。インコースをうまくさばけるだけでなく、リストの強さと柔らかさで逆方向に強い打球を放てるのも魅力だ。

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