上林誠知「4年目の爆発」でも、
うかうかできないソフトバンクの怖さ (2ページ目)
開幕当初は、江川智晃、福田秀平が"日替わり"でつとめていたが、4月終わりから先発で起用されるようになった上林が、5月に入り、3ラン、2ラン、満塁、ソロとアーチを量産。チームの5連勝の原動力となり、レギュラーの座をつかみ取った。
上林の活躍を見て、思い出すシーンがある。今年の春の宮崎キャンプでのことだ。
バッティング練習中にあっさり打ち損じて、苦笑いを浮かべていた上林にコーチ陣から鋭い声が飛んできた。
「若手のホープやったら、なんぼでもおるぞ、ウチには!」
一転、キリッと引き締まった表情で上林が振り返ると、さらに鋭い喝が追い討ちをかけた。
「外野にはな、内野からも回ってくるんやぞ!」
釜元豪に真砂勇介。入団当初はマシンの球でもなかなか前に飛ばなかった彼らも、このキャンプでは一軍に混じって、まったく遜色ない鋭い打球を右に左に飛ばしていた。
一躍スターダムにのし上がった選手が、半月もしたら別の名前に取って代わられても、誰も驚かないのがソフトバンクというチームの強さ、いや"怖さ"なのだろう。
だから、上林はいいチームに入ったと思う。突き抜けたセンスを持った者は、より高いレベルに置くほど、その実力を発揮する。上林の才能はまだまだこんなものじゃない。きっと我々が驚くようなことを、平然とやってのけるのだろう。猛烈なスピードで成長する上林のこれからが、楽しみでならない。
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